パナソニックは6月末をメドに、液晶テレビ用パネル製造子会社、IPSアルファテクノロジ(千葉県茂原市)の株式の大半を、共同出資する日立製作所グループから譲り受ける。パナソニックは現在約45%の株式を保有しているが、出資比率を9割に高める。譲渡金額は600億円程度とみられる。
参考 -2ch 【千葉県】IPS-アルファテクノロジー【茂原市】
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同工場は,パナソニックが投資額を全額負担して建設された。当初の予定では,2010年1月に量産を開始する予定だったが,その後,2010年7月に延期されていた。
今回,量産を開始したのは,32型換算で40万5000枚/月のパネル生産能力を持つ第1期分のラインである。2010年中に同81万枚/月まで増強する計画である。同工場の第8世代のガラス基板からは32型パネルを18枚,42型パネルを8枚取ることができる。生産性を向上するための工夫として,例えば,露光プロセスの処理回数を削減したとする。
台湾Prime View International Co., Ltd.(PVI)と同社の子会社の韓国Hydis Technology Co., Ltd. ,および韓国LG Display Co., Ltd.の3社は,液晶パネルや電子ペーパーの技術と資本,供給に関して提携した。今回の提携によって,LG Displayは,(1)Hydis Technologyが持つIPS(in plane switching)モードの高画質化技術を使った液晶パネルの製造,(2)PVIの子会社である米E Ink Corp.の電子ペーパーの安定的な調達,が可能になる。
提携の内容は,大きく三つある。第1は,LG DisplayとHydis Technologyの間の資本,技術面での提携である。LG Displayは今後,Hydis Technologyが発行する社債3050万米ドルを購入する予定である。また,LG Display,Hydis Technologyの両社は,包括的な協業の一環として,クロスライセンスを締結した。ライセンスの対象には,Hydis Technologyが開発した液晶パネルの広視野角技術「FFS(Fringe Field Switching)」を含む。
第2は,LG DisplayとE Inkの間の電子ペーパーの供給に関する提携である。LG DisplayとE Inkが締結した供給契約によって,LG Displayは,E Inkから電子ペーパーを安定的に調達することが可能になるとする。E Inkは,顧客の増加と電子ペーパー市場の拡大を実現できるようになると強調している。
第3は,LG DisplayとPVIの間の材料に関する協力である。ただし,具体的な内容は明らかにしていない。なお,LG DisplayはPVIの国際預託証券(GDR)1000万米ドルを2009年12月に引き受け,資本面で提携済みである。