Sharp
シャープは、2012年3月14日午後4時から大阪市天満橋の帝国ホテル大阪で、片山幹雄社長と奥田隆司次期社長が出席する記者会見を開催した。
会見の冒頭に片山社長は「2008年におきたリーマンショックにより世界経済が低迷し、エレクトロニクス業界の競争環境も大きく変わった。当社では、地産地消戦略やソーラーエネルギーカンパニー戦略、液晶の事業構造改革などに取り組んできたが、本年度は過去最大の赤字となる見通しを発表した。株主をはじめシャープを支援してくださる方々に対して、経営者として大変申し訳なく思っている。欧州の金融危機や歴史的な円高、さらには東日本大震災やタイの洪水被害などの外部要因もあったが、業績悪化の主因は主力商品の市況悪化にタイムリーに対応できなかったことによるもの。この対策については、改めて説明する機会を持ちたい」と挨拶。
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しかし、関係者はこの発表を額面通りには受け取らない。そもそも、同社が両工場の操業停止に踏み切った際には「大震災の影響は口実に過ぎず、実際には過剰在庫を抱えて生産調整の必要があるためではないか」(業界筋)との見方がもっぱらだった。それどころか、「液晶パネルの需要回復」云々についても、冒頭の関係者は首を傾げる。
「液晶パネル市場は悪化し、取引価格も1年前に比べると3割も落ち込むなど値崩れが止まらず、先行きに不透明感が漂っているのが実情です。そのため世界の液晶パネル市場でトータル7割弱のシェアを握る上位3社(韓国のサムスン電子とLGディスプレー、台湾の友達光電)も、最大の市場が見込める中国に計画していた液晶パネルの工場稼動を次々と先送りしたばかり。だからこそシャープが発表した『需要回復』は説得力に欠ける。むしろ市場の観測をアッサリ追認して『過剰在庫を抱えたため生産調整を余儀なくされた』と片山幹雄社長が頭を下げればよかったのです」
シャープは今年3月期の最終利益が前期比4.4倍の194億円だった。その限りでは好決算だったかのように見えるが、これは昨年3月期が悪過ぎたためで、過去最高だった一昨年3月期(1019億円)に比べると実に2割の水準でしかない。
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合弁契約では、
SDPは、
シャープが主力の液晶ビジネスで、“お家芸”の大型パネルの不振にあえでいる。販売不振や東日本大震災に伴う部材の調達難により、主力の亀山工場(三重県亀山市)と堺工場(堺市)の2カ所で4月から生産休止を余儀なくされるなど、急激に採算が悪化。好調な中小型パネルへのシフトに活路を見いだすシナリオだが、先行きは見通せない。
「4~6月期決算はパネルの生産停止で、厳しい業績になる」。4月27日、大阪市内で決算会見にのぞんだ片山幹雄社長は苦しい経営環境をこう説明した。
シャープは震災の影響が見きわめられないとして、平成24年3月期の業績予想の公表を見送ったが、足下の環境は厳しさを増す。その原因は、これまで業績を牽引(けんいん)してきた大型液晶パネルの不振だ。
韓国や台湾勢などとの価格競争が激化したことや生産調整で大型液晶パネルの採算が悪化。このため、23年3月期の液晶事業の営業利益は約7%減少した。
採算悪化に拍車をかけたのが、亀山と堺工場の全面的な生産停止だ。両工場はリーマン・ショック後も操業を続けたシャープの“顔”。しかし、販売不振などで在庫が積み上がり、ついに4月初旬に生産停止に追い込まれた。
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シャープは、4原色「Quattron(クアトロン)」パネルを採用し、エッジ型のLEDバックライトを搭載したスタイリッシュモデル「XF」シリーズ2機種を7月1日に発売する。パネルはフルHD。サイズは52型「LC-52XF3」と、46型「LC-46XF3」を用意。価格はどちらもオープンプライスで、店頭予想価格は52型が37万円前後、46型が29万円前後の見込み。3D表示には対応しない。
高開口率技術「UV2A」をベースに、従来のRGB(赤青緑)にY(黄色)を加えた「4原色技術」を採用したのが特徴。RGBに加え、Yのサブピクセルを持つ新しい画素構造を採用し、Yの追加と独自のFRED技術による配線幅削減により、光の透過率を従来のRGBに比べて向上。色域も拡張している。
エッジ型のLEDバックライト採用で最薄部は3.9cm |
デザイン面では画面とフレームの間の凹凸を無くした「フルフラットデザイン」が特徴。「シンプルながら、美しいフォルムを実現した」という。
“盟友”の書き入れ時に、ソニーは半ば苦々しい思いに違いない。シャープのパネル工場を分社化した新会社に、昨年12月から出資。出資比率に応じて、新工場で生産したパネルの供給を受けることになっている。
2004年に韓国サムスン電子と合弁会社を設立したソニーだが、パネルの需給バランスは崩れやすい。安定した購買先を確保するためシャープへ出資を決めた。新工場で生まれる莫大なパネルの消化先が確保できるシャープにもメリットはある。
ウィン・ウィンの関係のはずだった。
だが両社の関係者によると、3月ごろからシャープはソニーとの計画に対し最大3割のデコミット、つまり取り決め数量未達を生じさせているようだ。東芝など多数の顧客を抱えており、「あらゆる顧客からの引き合いが旺盛」(シャープ幹部)と想定を超える需要が要因としている。
通常、基幹部品の調達が最大3割も計画割れすることはありえない。ソニーは10年度のテレビ販売台数を前期比1.7倍(2500万台)に伸ばし、サムスンなどへ反転攻勢を仕掛けようと鬨(とき)の声を上げた矢先。シャープの不足分を補うべく、韓国と台湾からの緊急調達に追われるテレビ関係者は「なぜパネルを寄こさない」と怨嗟の声を漏らす。
勝負時の大幅なデコミットは今後、両社の合弁会社をめぐる協議にも影を落としそうだ。
[管理人] 納入のデコミットについては、当事者同士じゃないとわからない微妙な原因がある可能性があります。シャープからソニーに納めているパネルは特殊な仕様になっていて、生産に入る一定前からそれらの部材の調達を進めておかなければなりませんからね。
フォーキャストが正しかったのかとか、伝達のタイミングは正しかったのかとか...
Sharpはその辺り厳格に運用します。一方台湾のEMS/パネルメーカーはそれなりに柔軟な運用を見せます。続きを読む »
同社は2010年1月から三原工場にて青色LEDチップの生産を始めている。福山工場での生産が加わることで,生産能力は2011年度に年間で約50億個になる予定。同社が手掛けるLEDバックライトを搭載する液晶テレビやLED照明器具などの需要が旺盛であり,それに対応するための生産拡大とする。
青色LEDチップの生産拡大に向けた設備投資額は約150億円。青色LEDチップの社内調達とともに外部調達も拡大させるが,将来的には同社が調達する青色LEDチップ全体の約1/3を社内調達で賄いたい考え。なお,同社製の青色LEDチップは自社製の一部LED照明器具などに搭載していた。
ディスプレイサーチの調査によると,主要LEDメーカーの2010年におけるLEDチップの年間生産能力(青色LEDチップ・ベース)は日亜化学工業が368億個,台湾Opto Tech社が192億個,韓国Samsung LED社が160億個。主要LEDメーカーは2011年も引き続き青色LEDチップの生産を拡大するとみられるので,シャープの2011年度における青色LEDチップの生産能力は主要LEDメーカーの数分の1となる。