台湾最大で世界3位の液晶パネルメーカー、新・奇美電子(チーメイ・イノルックス)が18日正式に発足した。同社はモニター用パネルおよび中小型パネルで出荷量世界一となる。鴻海科技集団(フォックスコン)や旧・奇美電子(CMO)などから集約した企業リソースは液晶パネル産業史上最高と言え、従来の受託生産専業に代わる新たなビジネスモデルの構築に期待がかかる。
新・奇美電は、鴻海集団傘下の群創光電(イノルックス・ディスプレイ)、旧・奇美電、および統一企業集団(ユニプレジデント)傘下の中小型パネルメーカー、統宝光電(トポリー・オプトエレクトロニクス)の3社合併によって誕生した。市場調査機関、ディスプレイサーチの統計によると、新・奇美電の今年液晶モニ
ター用パネルの出荷枚数は5,500万枚に達し、世界シェア32%で首位となる。
最近注目を浴びている発光ダイオード(LED)をバックライトに採用した液晶モニター向けのパネル出荷枚数は1,100万枚で、LEDパネル市場全体の26%を占めて同じく首位となる見通しだ。中小型パネルでは、3社の製品、顧客の相互補完効果が発揮される。 統宝のノキア、サムスン電子、モトローラ、宏達国際電子(HTC)などの顧客、群創のノキア、ソニー・エリクソンなどを合わせると、新・奇美電はほぼあらゆる大手携帯ブランドからの受注を確保することになる。
さらに、旧・奇美電は中国市場に強みを持っていたため、今後同方面でのさらなる業務拡大も期待できる。新・奇美電は中小型パネル生産拠点として、統宝の3.5世代工場(単月のガラス基板投入枚数約7万枚)、群創の4.5世代工場(約5万枚)、旧・奇美電の3.5世代工場(約5万5,000枚)および4世代工場(約8万8,000枚)を網羅する。中小型パネルの出荷枚数は単月で4,000万枚以上、通年ベースでは4億~4億5,000枚が見込め、世界シェア15~20%の最大手メーカーとなる。
新・奇美電でモバイル部品製品事業処長を務める許庭禎氏(元群創副総経理)は新・奇美電の特徴について、「部品、モジュールをグループ内で調達できる上、パネル製品の設計から受託生産まで可能な、パネルにおいて全方位的なソリューションプランを提供する役割を果たせる」と強調。「台湾パネル産業でこうした位置付けは過去に例が無く、受託生産専門の従来ビジネスモデルを覆すことになる」と自信を示した。
新・奇美電発足の記者会見を行った段行建董事長兼執行長(CEO)は、今年の設備投資額は600億台湾元(約1,710億円)で、主に8.5世代工場と6世代工場の生産拡張に投じると表明した。旧・奇美電が南部科学工業園区(南科)高雄園区に建設し、この3月に生産をスタートさせた8.5世代工場には、今年新たに200億元を投じて、生産能力を年末の段階でガラス基板投入ベースで2万7,000枚、来年末で5万4,000枚とする計画だ。その後も市場の需要に応じて投資を拡大する。
また、群創が擁していた第6世代工場へも今年200億元余りを投じ、最大月産能力をガラス基板投入ベースで18万枚とする計画だ。
段董事長は、中国市場への進出や製品の出荷目標などの注目点については記者会見で明らかにせず、「まだ新会社発足1日目で、多くのことに着手しなければならない。説明できるのはその後だ」と釈明した。段董事長によると、新・奇美電が抱える部品の管理番号は15万件と、通常の6万件の2倍以上に上る。同じ部品でも群創、旧・奇美電、統宝で管理番号が異なっており、整理するだけでもかなりの時間がかかるという。また、同一顧客が群創と旧・奇美電から同種のパネルを異なる価格で調達していたケースもあり、今後の業務戦略を立案するのも、これら細かい点を整理して運営態勢が整った後になると語った。
新・奇美電は、鴻海集団傘下の群創光電(イノルックス・ディスプレイ)、旧・奇美電、および統一企業集団(ユニプレジデント)傘下の中小型パネルメーカー、統宝光電(トポリー・オプトエレクトロニクス)の3社合併によって誕生した。市場調査機関、ディスプレイサーチの統計によると、新・奇美電の今年液晶モニ
ター用パネルの出荷枚数は5,500万枚に達し、世界シェア32%で首位となる。
最近注目を浴びている発光ダイオード(LED)をバックライトに採用した液晶モニター向けのパネル出荷枚数は1,100万枚で、LEDパネル市場全体の26%を占めて同じく首位となる見通しだ。中小型パネルでは、3社の製品、顧客の相互補完効果が発揮される。 統宝のノキア、サムスン電子、モトローラ、宏達国際電子(HTC)などの顧客、群創のノキア、ソニー・エリクソンなどを合わせると、新・奇美電はほぼあらゆる大手携帯ブランドからの受注を確保することになる。
さらに、旧・奇美電は中国市場に強みを持っていたため、今後同方面でのさらなる業務拡大も期待できる。新・奇美電は中小型パネル生産拠点として、統宝の3.5世代工場(単月のガラス基板投入枚数約7万枚)、群創の4.5世代工場(約5万枚)、旧・奇美電の3.5世代工場(約5万5,000枚)および4世代工場(約8万8,000枚)を網羅する。中小型パネルの出荷枚数は単月で4,000万枚以上、通年ベースでは4億~4億5,000枚が見込め、世界シェア15~20%の最大手メーカーとなる。
新・奇美電でモバイル部品製品事業処長を務める許庭禎氏(元群創副総経理)は新・奇美電の特徴について、「部品、モジュールをグループ内で調達できる上、パネル製品の設計から受託生産まで可能な、パネルにおいて全方位的なソリューションプランを提供する役割を果たせる」と強調。「台湾パネル産業でこうした位置付けは過去に例が無く、受託生産専門の従来ビジネスモデルを覆すことになる」と自信を示した。
新・奇美電発足の記者会見を行った段行建董事長兼執行長(CEO)は、今年の設備投資額は600億台湾元(約1,710億円)で、主に8.5世代工場と6世代工場の生産拡張に投じると表明した。旧・奇美電が南部科学工業園区(南科)高雄園区に建設し、この3月に生産をスタートさせた8.5世代工場には、今年新たに200億元を投じて、生産能力を年末の段階でガラス基板投入ベースで2万7,000枚、来年末で5万4,000枚とする計画だ。その後も市場の需要に応じて投資を拡大する。
また、群創が擁していた第6世代工場へも今年200億元余りを投じ、最大月産能力をガラス基板投入ベースで18万枚とする計画だ。
段董事長は、中国市場への進出や製品の出荷目標などの注目点については記者会見で明らかにせず、「まだ新会社発足1日目で、多くのことに着手しなければならない。説明できるのはその後だ」と釈明した。段董事長によると、新・奇美電が抱える部品の管理番号は15万件と、通常の6万件の2倍以上に上る。同じ部品でも群創、旧・奇美電、統宝で管理番号が異なっており、整理するだけでもかなりの時間がかかるという。また、同一顧客が群創と旧・奇美電から同種のパネルを異なる価格で調達していたケースもあり、今後の業務戦略を立案するのも、これら細かい点を整理して運営態勢が整った後になると語った。