宇部興産(山口県宇部市)は27日、サムスンモバイルディスプレー(SMD)と京畿道牙山市に、次世代ディスプレーの基板として使われる液状形のポリイミドワニスを生産する合弁会社を設立すると発表した。
出資金は194億ウォン(約15億円)。出資比率は半分ずつとなる。今年8月の設立予定で、新会社名は未定。数十人規模からのスタートとなり、宇部興産側は技術指導員を派遣する。
宇部興産関係者はNNAの取材に対し、「フラットパネル・ディスプレー(FPD)で使われていたガラス基板の代わりにポリイミドワニスを活用することで、フレキシブル有機ELなど多様な特長を持つディスプレーを実現することが可能になる」と説明した。
両社にとって課題であった、高温下での膨張変形を抑えた樹脂開発のめどが立ったことから、合弁による本格生産となったという。
宇部興産は、ポリイミドを成長戦略事業と位置づけており、用途や市場の拡大を期待している。
同社は今年3月に、韓国に100%出資の現地法人「ウベコリア」を設立しており、韓国におけるグループ製品の市場および営業開発拠点としている。新会社との資本関係はない。
一方、SMDの趙秀仁社長は「2007年に世界で初めてアクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)の量産を実現したが、これに続いて宇部興産との合弁により次世代ディスプレーの重要な材料技術も確保していく」と話した。