2011年のLCDTV用偏光板面積需要は、YOY+3.8%となる約2億2,700万㎡であった。数量(枚数)ベースでは、過剰傾向であった2010年末の出荷の反動減や、2011年にパネルメーカーが部材在庫の圧縮を行った影響によりマイナス傾向となったが、面積ベースでは平均サイズの大型化が進んだことにより成長を続けている。
ただし、LCDTV市場が先進国から成熟期を迎えつつあり、偏光板面積需要の成長は鈍化傾向にある。また、TVメーカーは新興国向けのLCDTVの開発に注力しており、それに伴いLCDTV用偏光板の仕様もより廉価な製品開発にシフトしつつある。
ハイエンドTV向けでは、高コントラスト化と低消費電力化に寄与する偏光板が求められる。一方、エントリーTV向けの偏光板では、光学性能に対する要求が緩和される反面、価格要求が一層厳しくなる。偏光板メーカーは表面処理、偏光板保護フィルム、位相差フィルムなどの部材でより低コストな仕様の選定と生産性の高い偏光板仕様への共通化を進め、収益率の低下を防ぐ方針である。
偏光板メーカーは、コストと光学性能のバランスに優れた偏光板を開発できれば、エントリーTV向けのみでなく、TV用偏光板全体に展開することを計画している。そのため、LCDTV用偏光板市場は2012年から2013年にかけて偏光板仕様の変化に注目する必要がある。
ただし、LCDTV市場が先進国から成熟期を迎えつつあり、
ハイエンドTV向けでは、
偏光板メーカーは、