大日本印刷は液晶パネル用の基幹部品事業で、薄型テレビ向けを大幅に縮小し、スマートフォン(高機能携帯電話)など中小型の機器向けに集中する。電機大手が相次ぎ液晶テレビ事業を縮小している動きに対応する。日本企業は強みとされた高機能素材でも戦略の再構築を迫られ始めた。
年内に北九州市と兵庫県姫路市の主力2工場で基幹部品のカラーフィルターの生産ラインを中小型用に改修する。現在は中小型の比率が3割程度だが、2015年度中にほぼ全量を中小型に切り替え、テレビ向けは受注があれば対応する。
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大日本印刷は液晶パネル用の基幹部品事業で、薄型テレビ向けを大幅に縮小し、スマートフォン(高機能携帯電話)など中小型の機器向けに集中する。電機大手が相次ぎ液晶テレビ事業を縮小している動きに対応する。日本企業は強みとされた高機能素材でも戦略の再構築を迫られ始めた。
年内に北九州市と兵庫県姫路市の主力2工場で基幹部品のカラーフィルターの生産ラインを中小型用に改修する。現在は中小型の比率が3割程度だが、2015年度中にほぼ全量を中小型に切り替え、テレビ向けは受注があれば対応する。
大日本印刷は、2012年度通期の業績予想を下方修正した(ニュースリリース:PDF)。液晶カラー・フィルタの製造設備を減損処理し、特別損失247億円を計上する。
同社は従来、テレビ向けを中心に液晶カラー・フィルタ事業を展開してきた。しかし、液晶パネルの競争激化に伴う価格下落で、パネル・メーカー各社の業績が悪化。顧客のパネル・メーカーがスマートフォンやタブレット端末向けへ事業の軸足を移すなか、大日本印刷も中・小型の液晶カラー・フィルタを中心とした事業構造への移行を決めた。スマートフォンやタブレット端末では高精細・高機能なディスプレイを採用する製品も多いことから「単純な価格競争ではなく、技術力で競争優位に立つチャンスがある」(同社広報)としている。
現在、大日本印刷は液晶カラー・フィルタを国内5工場で生産している。このうち、DNPプレシジョンデバイス・大利根工場(埼玉県加須市)の生産を同・三原工場(広島県三原市)へ集約する。また、堺工場(大阪府堺市)を運営するDNPカラーテクノ堺は、シャープ子会社のシャープディスプレイプロダクトに統合することで合意しており、2012年5月中に最終契約を締結する予定だ(ニュースリリース:PDF)。
シャープは10日、液晶パネルの主力工場である堺工場(大阪府)について、大日本印刷と凸版印刷の堺工場内の液晶カラーフィルター事業を統合すると発表した。
堺工場の運営子会社「シャープディスプレイプロダクト(SDP)」が新株を発行し、大日印と凸版が取得する方向で協議する。4月末をめどに最終契約を締結し、6月30日に統合する予定で、堺工場はシャープの連結子会社から外れる見通し。
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