経営再建中のシャープが9月末に金融機関から3600億円の融資を受けると発表した。アナリストからは今回の融資で当面の資金繰りにめどがついたため、台湾・鴻海精密工業のシャープ出資は見送りになるのではないか、との声が出ている。

シャープ幹部は9月28日に記者団に対し、鴻海による出資条件見直し交渉が、契約当時の払い込み期限の来年3月まで長引く可能性があるとの認識を示した。同幹部は出資が実現しない場合でも、鴻海との協力関係は続くとも強調した。




鴻海グループは1株550円でシャープの新株を引き受け予定だったが、業績悪化に伴うシャープ株価下落で見直し交渉中。シャープの大阪・堺工場運営会社に関しては7月に、鴻海側の出資が完了している。1日のシャープ株価終値は前週末比変わらずの193円。

サンフォード・C・バーンスティーン(香港)のアナリスト、アルベルト・モエル氏は、シャープが銀行からの資金調達を実現したことで「両社ともに資本提携発表時ほどの熱意はなくなっている」と指摘。見直し交渉が形骸化しているとの見方を示した。

モエル氏は、鴻海の最高経営責任者(CEO)である郭台銘氏が「資本提携でさまざまなケースを想定していたが、シャープ株価の急落までは見通せなかったのだろう」とも述べている。