米アップルがサムスン電子からのタブレット型端末用液晶パネル(LCD)供給量を大幅に縮小したことが分かった。スマートフォン(多機能携帯電話)などをめぐる特許訴訟を受け、アップルがサムスンの部品を意図的に減らすとの観測が出ていた。
調査会社ディスプレイサーチによると、アップルがタブレット端末「iPad(アイパッド)2」「新型iPad」に採用している9.7インチLCDの8月の出荷量は526万1000台だった。9.7インチLCDを搭載しているタブレット型端末はiPadだけだ。
サムスンディスプレーの出荷量は68万3000台で全体の13%を占めた。5月の288万4000台(シェア41.3%)から76%減少した。
これに対し、トップシェアを争っているLGディスプレーの出荷量は同期間、255万4000台から382万8000台と、50%増えた。
サムスンはアップルへの供給減により、市場シェアも急落している。3月の7インチ以上のシェアは41.2%だったが、8月は20.4%に落ちた。LGのシェアは同期間、23.0%から36.4%に上昇している。
アップルは先週公開したスマートフォン「iPhone(アイフォーン)5」に、モバイルDRAMやNAND型フラッシュメモリーなどサムスンの部品を採用しなかった。両社が世界で繰り広げている特許訴訟の影響とみられる。
ただ、シャープなどもアップルに供給するタブレット型端末向けのLCDが減少し、台湾メーカーの瀚宇彩晶や中国の天馬微電子などが新たな供給先に浮上したことから、アップルが取引先を多角化しているとの分析もある。
タブレット型端末用LCDの8月の出荷量は1459万8000台と伸びが続いている。タブレット端末の今年の販売台数は約1億2000万台になると予想される。アップルの4~6月期のシェアは68%と首位を維持している。
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