サムスングループが、液晶パネルとアクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネルを生産するサムスンディスプレー、サムスンモバイルディスプレー(SMD)、S-LCDの3社を合併させる方針を固めたことが26日までに分かった。3社は27日に理事会(取締役会)を開き、合併を決議する。統合会社は各社の株主総会による決議を経て、7月に発足する予定だ。
サムスンディスプレーは今月初め、サムスン電子から分社化された液晶パネル(テレビ・ノートパソコン用)の専門メーカーで、昨年の売上高は14兆ウォン(約9990億円)。SMDは主にスマートフォン「ギャラクシーS」に使われるAMOLEDを専門に手掛け、昨年は7兆ウォン(約4990億円)を売り上げた。S-LCDはサムスン電子とソニーによる合弁会社として発足した液晶パネルメーカーだったが、ソニーが持ち株を売却したため、現在はサムスンディスプレーの子会社となっている。昨年の売上高は9兆ウォン(約6420億円)で、韓国国内に2本の生産ラインを保有している。
3社はいずれもサムスングループの系列企業が株式の90%以上を保有する非上場企業だ。3社の合併後は、年間売上高が30兆ウォン(約2兆1400億円)、従業員数2万5000人となり、世界最大のディスプレー専門メーカーとなる。
今回の合併は、サムスンディスプレーがほかの2社を吸収合併する形となる。合併後の社名も「サムスンディスプレー」のままとなる見通しだ。サムスングループ幹部は「存続会社をどこにするかは、各社の資産規模、合併後の事業群が一致するかなどを総合的に判断して決定する」と述べた。経営統合の過程で生じるさまざまなコストを考えると、資産規模が大きい企業(サムスンディスプレー)中心の合併が有利とみられる。業績や将来見通しだけに限れば、SMDが合併の中心となるべきだが、モバイル機器用のディスプレー専業メーカーを指す社名は、テレビ用の液晶パネル、AMOLEDパネルも生産する企業の社名としては不適当だ。ただし、存続会社がサムスンディスプレーという社名を使い続けても、現在の液晶パネル中心の事業構造をAMOLEDパネル中心へとシフトしていく戦略自体は変更しない。
3社はいずれも、忠清南道の天安、湯井地区に主な事業所があり、生産工程や設備が似通っているため、統合作業は早期に進むとみられる。経営統合の過程では、一部事業所でリストラが実施される可能性がある。
これに先立ち、サムスングループは、業績不振に陥った液晶パネル事業の活路と将来的に有望なAMOLED事業に対する支援策を検討してきた。
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