友達光電(AUO)の李焜耀董事長は、液晶パネル業界は今後、価格競争が本格化し、高付加価値製品へのシフトが生き残りの鍵になるとの見方を示した。パネル景気は低迷が例年よりも長引いているが、今年は第1四半期が谷となり、四半期ごとに上向くと楽観している。各社は昨年下半期から約1年ほど、業績不振が続いている。
10日の株主総会で明らかにした。李董事長によると、第1四半期は各社が軒並み赤字となったが、今年は同期が景気の谷となり、今後は四半期ごとに回復するという。低迷が長期化していることで、液晶パネル業界は高付加価値、差別化戦略へと方針転換を迫られているとした。
高付加価値製品として3Dパネルやタッチパネル、車載用パネル、低温多結晶シリコン(LTPS)などを挙げ、「これらは日本や韓国のメーカーと渡り合っていくための武器になる」と自信を示した。このうち、かねてから手がけてきた車載用パネルが今年になって花開き、ドイツの高級車メーカーから受注したことを明らかにした。
またスマートフォン向けパネルが大企業から引き合いが相次いでいるほか、タブレット端末向けの単月出荷も60万~70万枚まで増えていることで、中小型パネルの単月売上高は50億台湾元(約140億円)を突破。出荷量自体は同業他社に比べて少ないが、規模のメリットは追求せず、付加価値化で勝負する方針を示している。
一方、彭双浪執行副総経理は「主要市場の欧米や中国の成長が鈍化している」と指摘。米国は失業率の上昇、欧州は信用不安の高まりで、液晶テレビやパソコン(PC)などの販売が伸び悩んでいる。またピーク時には前年比8割伸びた中国市場も、今年は15%以下にとどまるとみられ、主要市場はいずれも頭打ちになっている。
こうした状況を受けて、友達は今年から南米や東南アジア、インドなど新興国市場の開拓を加速。特にブラジルは2014年にサッカーのワールドカップ、16年には五輪の開催を控えていることから市場の急成長が有望視される。ただ新興国市場は規模が小さいため、「液晶テレビ市場全体の7~8割を占める欧米や中国の落ち込みを補うことは難しい」と展望している。
液晶パネル大手4社の5月売上高は、中華映管(CPT)を除き軒並み前月比増収となった。しかし前年同月比では各社ともに2けたの減収と低迷が続いている
最大手の奇美電子(チーメイ・イノラックス)の5月連結売上高は403億7,600万元で前月比0.2%増。友達や瀚宇彩晶(ハンスター)も小幅ながら増収を果たした。しかし華映は11.2%減の53億7,800元と大きく減退。出荷量の減少が響いた。