アジア最大、世界第2の規模を誇るICT(情報通信技術)製品展示会「台北国際電脳展(コンピュテックス台北)」が先月31日開幕した。会場には、 米アップルのiPad(アイパッド)に対抗心を燃やす華碩電脳(ASUS)や宏碁(エイサー)など各社が一堂に集い、百花繚乱(りょうらん)の様相を呈し た。
メーン会場となった台北世界貿易中心南港館4階の中央に大きなブースを構えたのはASUS。ブース入り口の目立つ場所に、同社の秘密兵器とも言える新製品「Padfone(パッドフォン)」を展示、来場者の目を引きつけた。

パッ ドフォンはタブレット端末とスマートフォンを一体化した製品で、双方のユーザーの需要を満たすために開発された。タブレットの裏側にスマートフォンを収納 するスペースがあり、スマートフォンで使用中のアプリケーションをそのまま引き継ぎタブレットで使うことも可能。発売時期は12月を予定。価格は未公表だ が、業界では799~1,000米ドル(約6万5,000~8万1,000円)とみられている。

ASUSは今回のコンピュテックスに満を持 して臨んだ。内外の報道関係者を集めた前日の記者会見には施崇棠董事長自らが出席し、パッドフォンのほか、199米ドルのネットブック 「EeePCX101」や同社初のオールインワン(AIO)PC、米マイクロソフトのゲーム機「Xbox360」用の周辺機器「キネクト」と同様の機能を 持つ「WAVI Xtion」などを披露した。

X101は米インテルが主導する携帯電話向け基本ソフト(OS)「MeeGo(ミーゴ)」を 搭載した製品で、最低でも299米ドルするネットブックでは破格の安さ。東南アジアや中国、中南米などの新興国市場でチャンスがあるとASUS関係者はみ ている。7月中旬に量産を始める。

■エイサー露出度抑える

一方、ライバルのエイサーは記者会見 を開くこともなく、露出度はやや控え目だった。目玉はASUSと同様、タブレット端末。「イコニア」の4.8~14インチまでを展示した。このうち、14 インチの製品はノートPCとタブレットを融合した上下デュアルスクリーン機種。上下ともマルチタッチ入力に対応し、下画面にはバーチャルキーボードを表 示、報道関係者やバイヤーの関心を集めた。

微星科技(マイクロスター、MSI)も同社初のタブレット端末「ウィンドパッド」を展示。今年3月末に発売した製品で、OSにはウィンドウズ7を採用。アンドロイド機種が市場の主流となるなか、ウィンドウズ機種で法人向け市場の需要を掘り起こす。

■精英、低価格タブレット計画

精 英電脳(エリートグループ)はインテルのタブレット端末向けチップセット「Oak Trail」(開発コード名)を採用したタブレットを展示した。同製品は昨年のコンピュテックスでも展示したが、インテルのチップセットの開発が遅れてい た。今月から量産を始める。OEM(相手先ブランドによる生産)で、日本エリートグループの岡山偉信社長によると、日本企業2~3社からも引き合いがきて いる。

同社はインテルが主導する低価格ノートPC「クラスメートPC」の製造を手がけており、今後は同シリーズのタブレット端末も計画している。スペックや発売時期などの詳細は未定だが、クラスメートPC同様、新興国市場を攻める。

■250億ドルの商機

コ ンピュテックス台北は今年初めて、世貿中心の南港展覧館と信義区の計5館を使用して開催。過去最多となる1,800社(5,300ブース)を展示してい る。今月4日までの会期中のバイヤー数は計12万人(海外からは3万6,000人)を見込む。主催者の中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)は250 億米ドルの商機を期待している。