ソニーは、裸眼で3次元(3D)映像を見られる24型と10型の液晶ディスプレイを開発し、米国ロサンゼルスで開催中であるディスプレイ関連で世界最大の学会「49th SID International Symposium, Seminar & Exhibition(Display Week 2011)」(SID 2011)で、その詳細を発表した。同社は2011年1月の「International CES」で裸眼3D対応の液晶ディスプレイを披露しているが、「従来の試作機とは異なる新たな3D表示方式」とする。
 開発品は、液晶パネルと通常の2次元(2D)映像表示用のバックライトの間に、3D映像表示用のバックライトを追加した構造を採る。2種類のバックライトのいずれかを点灯させることで、3D表示と2D表示を切り替えられる。
 3D映像表示用のバックライトとして追加した部品は、導光板とそのエッジ部に配置したLEDのみ。この導光板には、光を外部に取り出すための散乱パターンがディスプレイの水平方向に等間隔で形成されている。LED光源の光は、この散乱パターンからのみパネル背面に照らされるため、「視差バリア」で光を部分的に制御したような状況を作り出せるという。これにより、左目と右目にそれぞれ異なった映像を見せることで、3D表示を実現する。なお、散乱パターンの形成手法については、「回答できない」(ソニー)とした。
 24型品は、300cd/m2のディスプレイをベースに開発した。視点数は6であり、ディスプレイ表面から80~160cmの距離が3D映像を見る最適ポイントになるという。3D表示時は、画素数が960×360、輝度が86.1cd/m2となる。視差バリアを用いた一般的な24型の裸眼3Dディスプレイの試作品では、輝度が44.4cd/m2であり、「輝度の低下を1/2程度に抑えられる」(ソニー)とする。2D表示時は画素数が1920×1080、輝度が192cd/m2。3D映像表示用のバックライトを追加しているが、2D表示の際に視野角特性などの低下は見られないという。なお、発表後のオーサーズ・インタビューでは10型品を披露した。
 今回の技術は、4型から30型程度のディスプレイに適用可能とする。実用化時期については、「数年後をメドに開発を進めていく」(ソニー)とした。