シャープは8日、亀山工場(三重県亀山市)と堺工場(堺市)でテレビ用大型液晶パネルの生産を4月初めに休止したと明らかにした。東日本大震災による販売の落ち込みと、パネルに使う部材の供給が難しくなったためだ。5月の黄金週間明けの再稼働を目指す。

国内のテレビ用大型パネルの生産で、シャープは、パナソニックとほぼ二分する大きな存在だ。休止する両工場の1カ月あたりの生産能力は、亀山が32型で180万枚分、堺は40型で130万枚分にのぼる。スマートフォンなどに使う中小型液晶パネル(おおむね10型以下)の生産は、三重など別の工場で続ける。

薄型テレビの販売は震災後に低迷し、同社は1カ月分近い在庫を抱える。家電エコポイント制度も駆け込み需要が盛り上がらないまま3月末で終わり、当面は内外ともに販売の大きな回復が見込みにくい状況だ。

加えて、液晶の部材をつくる工場が被災し、部材の供給は不安定な状態が続いているという。東北と関東は、液晶パネルの生産に必要な部品や素材で、世界的にシェア(市場占有率)が高いメーカーの工場が数多く、影響はシャープにとどまらないとみられる。

一方、中小型液晶の需要は国内外で旺盛だ。シャープが培ってきた技術力を発揮しやすい領域でもある。限られた部材を、中小型用を生産する三重工場(三重県多気町)や天理工場(奈良県天理市)に振り向けることで、より安定的な稼働を目指す。