11月の大型液晶パネルの価格は10月に引き続き下落で決着したものの,下落幅はわれわれの予測よりもやや小幅となった。テレビ用パネルは主力の画面サイズで前月比4~8米ドル,モニター用は同3~5米ドル,ノート・パソコン用は同2~3米ドルの値下げとなったもようである。
足元のテレビ・セット需要は世界的に旺盛であり,テレビ用パネルも需要は堅調となっている。また,モニター用やノート・パソコン用などのIT機器用パネルの在庫調整が一段落したセット・メーカーは,2010年の需要拡大を見込み,パネル在庫積み増しに向けて購入の姿勢を強めている。これにより,パネルの需給は前回の予測より供給がタイトな方向に推移している。
パネル・メーカーはこの機に乗じて,テレビ用パネルに加え,収益性の低いIT機器用パネルの利益確保に向け,価格維持ないしは値上げへ交渉戦略をシフトしつつある。12月上旬現在のパネル・メーカーからの価格提示は,テレビ用パネルでは前月比3~4米ドルの値下げとなっているものの,一部メーカーの32型パネルなどで,前月比同価格(ステイ)の提示がされているもようである。一方,IT機器用パネルについては,既に前月比と同等ないしは数米ドルの値上げが提示されている。
10月に中国の国慶節商戦でテレビ出荷量が前年比で倍増したのに続き,11月下旬の米国のブラック・フライデーでも,前年に比べてディスカウント店を中心に客足が伸び,テレビ販売も低価格モデルを中心に好調だった。さらに,中国での2010年の旧正月前商戦でも売り上げの伸びが期待されていることから,テレビ用パネルの需要については,2010年第1四半期(1Q)までは堅調の見通しである。パネル・メーカーとしては,大型液晶パネルの中で利益率が比較的高く,需要の旺盛なテレビ用パネルに,製造能力を積極的に振り分けているもようだ。
この8~11月の値下がり局面では,一部のIT機器用パネルの価格が損益分岐点を下回った。これに伴い,パネル・メーカーが2009年度末の予算の締めに向けて収益確保を優先している。その結果,損益分岐点まではやや余裕のあるテレビ用パネルの価格が緩やかに下がり続けている一方で,IT機器用パネルの価格に対する値上げ圧力が相対的に強まった。このため,IT機器用パネルの価格は向こう数
カ月,緩やかに上昇する可能性が高まっている。
ノート・パソコン用パネルについては,「Windows7」搭載製品の出荷の出足が好調で,主力の15.6型パネルなどにややタイト感があることも,パネル需要押し上げの一因となっている。また,モニター用パネルは,本来のモニター・セットだけでなく小型低価格のテレビ向けにも使用されるため,モニターとテレビの両者の需要が上向いている中,大型液晶パネルの中で最も早く需要増の影響を受け,値上げ圧力が強くなっている。
このような足元の堅調なパネル需給を鑑み,われわれは今後の価格予測を「2010年第1四半期も価格続落,第2四半期に反転上昇」とした前回予測から,「直近から第1四半期は小さく反発の後,第2四半期は再下落,本格的な反転上昇時期を3カ月後ろ倒し」とした。
足元のテレビ・セット需要は世界的に旺盛であり,テレビ用パネルも需要は堅調となっている。また,モニター用やノート・パソコン用などのIT機器用パネルの在庫調整が一段落したセット・メーカーは,2010年の需要拡大を見込み,パネル在庫積み増しに向けて購入の姿勢を強めている。これにより,パネルの需給は前回の予測より供給がタイトな方向に推移している。
パネル・メーカーはこの機に乗じて,テレビ用パネルに加え,収益性の低いIT機器用パネルの利益確保に向け,価格維持ないしは値上げへ交渉戦略をシフトしつつある。12月上旬現在のパネル・メーカーからの価格提示は,テレビ用パネルでは前月比3~4米ドルの値下げとなっているものの,一部メーカーの32型パネルなどで,前月比同価格(ステイ)の提示がされているもようである。一方,IT機器用パネルについては,既に前月比と同等ないしは数米ドルの値上げが提示されている。
10月に中国の国慶節商戦でテレビ出荷量が前年比で倍増したのに続き,11月下旬の米国のブラック・フライデーでも,前年に比べてディスカウント店を中心に客足が伸び,テレビ販売も低価格モデルを中心に好調だった。さらに,中国での2010年の旧正月前商戦でも売り上げの伸びが期待されていることから,テレビ用パネルの需要については,2010年第1四半期(1Q)までは堅調の見通しである。パネル・メーカーとしては,大型液晶パネルの中で利益率が比較的高く,需要の旺盛なテレビ用パネルに,製造能力を積極的に振り分けているもようだ。
この8~11月の値下がり局面では,一部のIT機器用パネルの価格が損益分岐点を下回った。これに伴い,パネル・メーカーが2009年度末の予算の締めに向けて収益確保を優先している。その結果,損益分岐点まではやや余裕のあるテレビ用パネルの価格が緩やかに下がり続けている一方で,IT機器用パネルの価格に対する値上げ圧力が相対的に強まった。このため,IT機器用パネルの価格は向こう数
カ月,緩やかに上昇する可能性が高まっている。
ノート・パソコン用パネルについては,「Windows7」搭載製品の出荷の出足が好調で,主力の15.6型パネルなどにややタイト感があることも,パネル需要押し上げの一因となっている。また,モニター用パネルは,本来のモニター・セットだけでなく小型低価格のテレビ向けにも使用されるため,モニターとテレビの両者の需要が上向いている中,大型液晶パネルの中で最も早く需要増の影響を受け,値上げ圧力が強くなっている。
このような足元の堅調なパネル需給を鑑み,われわれは今後の価格予測を「2010年第1四半期も価格続落,第2四半期に反転上昇」とした前回予測から,「直近から第1四半期は小さく反発の後,第2四半期は再下落,本格的な反転上昇時期を3カ月後ろ倒し」とした。
Comment
コメントする