[1] 市場開拓の尖兵

「薄さ約3ミリのパネルに描き出される圧倒的な映像美」---目に映る色やカタチ、質感を、ありのままに再現すること。そのために、ソニーは、自ら発光する有機物質(organic material)をパネルに採用しました。
圧倒的なまでの高コントラスト、ピーク輝度、そして豊かな色再現性。自然界の美しさを、どこまでも忠実に描きだす「有機ELテレビ」XEL-1、誕生です。---と高らかに謳いあげソニーの有機ELテレビ(XEL?1)は世に産み落とされた。
価格は20万円と,フルハイビジョン画質の37型液晶テレビが買える価格水準。それでも前評判は上々でネット販売では1時間ほどで予定数量を超えたとソニーの関係者は言っている。(ソニースタイル)
薄さに注目が集まるが基本性能も圧倒的でコントラスト比は百万対一,動画応答速度は数マイクロ秒と,数ミリ秒台の液晶やプラズマとは桁違いで鮮明な動画像をより滑らかに表示できていると報告されている。少し技術的に解説すると,独自の「Super Top Emission」という構造により高い開口率を実現。さらに、多重反射により各画素の有機膜層から出力光を効率よく取り出すマイクロキャビィティ構造の採用や、出力光をカラーフィルタで調節することで、自然な発色と、高い色純度を実現している。
ソニーは,このパネルを愛知県東浦町のST LCD(Sony Toyata LCD)で製造し,ソニーEMS(ソニーイーエムシーエス)稲沢テックでテレビに組み立てている。「既存設備の活用で投資は抑えた」ということもあり月産は2000台。それでもかなりの生産量と当方は思うが,この商品に力を入れるソニーの狙いはいかに?
有機物が電気で発光することは60年代から知られていた。だが、高い電圧でわずかに光る程度で、すぐにぼろぼろになった。柔らかくて壊れやすく、電子部品には不向きというイメージがつきまとってきた。
そんな状況を一変させたのが、米イーストマン・コダック社の研究員だったC・W・タン博士(現・米ロチェスター大教授)が87年に発表した論文だ。
タン博士は、有機物を真空蒸着で厚さ数百ナノメートル(ナノは10億分の1)のきわめて薄い膜にし、電気を通しやすい層と発光しやすい層を重ねる方式を発明。低い電圧でも明るく光らせることに成功した。
薄膜を均一に密着させるほど電気がショートしにくく、寿命がのびる。空気に触れないようしっかり封じればさらに長持ちする。層の数を増やして組み合わせを工夫したり、添加物を混ぜたり。いくらでも新しい化合物を合成できる有機物の強みもあって、研究が急加速した。
有機EL材料のトップメーカーである出光興産は85年、青色に光る有機物の研究を開始。89年には1時間だった寿命が97年には1万時間にのびた。現在は量産品が2万時間を超える。
出光は緑や赤の発光材料の開発にも成功し、今回のテレビ用の有機ELをソニーと共同開発に至った。細川地潮・電子材料開発センター所長は「消費電力ももっと下げられる。シンプル、薄型、省エネの究極のテレビになると思う」と話す。
よくわかる新有機ELディスプレイ
有機EL素子の開発と構成材料
有機ELディスプレイ
[2] ソニーの有機EL開発の歴史
ソニーが有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレイの開発に着手したのは1998年と比較的新しい。そして2000年の春には約4インチのフルカラーパネルを開発。同年末には13インチの試作にも成功している。
しかしながら社内では次第にこの開発に対して風当たりが強くなってきていた。電気部門の不振で業績が悪化しているのにも関わらず金食い虫なのであった。開発資金につまりまずは携帯端末向けで実用化を目指すことになったのである。
「ここであきらめたら有機ELは永遠にテレビに出来ない」と当時開発の責任者だった占部哲夫ディスプレイデバイス開発本部長は,上司だった中鉢良治・現社長にこう訴え,大画面用の研究ラインの設置にこぎつけた。技術開発や技術革新を重ね今や「流れは有機ELに来ている」と有機ELの開花に迷いは無い。
とはいえ,量産技術は試行錯誤が続いている。今回の11型は携帯電話などに使われている低分子型。低温ポリシリコンTFT基板に材料をメタルマスク蒸着したもの。低分子型は技術は確立しているが設備面ではパネルの大型化が難しい。ソニーは新開発の基板に材料をレーザー転写することで低分子で大型化する技術を開発したとしているがそれでも「越えなければならないハードルが多い」と中鉢社長は正直に答えている。
ここでソニーの選択した技術が正しいのか検証するには,多くのスペースを必要とする。さらに一言で有機ELと言ってもまだ技術手法が統一される動きになっているわけではなく百家争鳴の状態なのである。
そのことをまず簡単に整理していく必要があると考えている。
ただ阿社なりの結論をはじめに述べると「ソニーの技術方向性にはかなり懐疑的」と考えざるを得ないと思っている。
ソニーは1998年から有機ELに着手と最初に書いた。これは本当にまだ十年にも満たないのである。ソニーが如何に深く要素技術および量産技術を見据えて開発を進めて行ったのかという点でかなり疑問に思えるのである。

「薄さ約3ミリのパネルに描き出される圧倒的な映像美」---目に映る色やカタチ、質感を、ありのままに再現すること。そのために、ソニーは、自ら発光する有機物質(organic material)をパネルに採用しました。
圧倒的なまでの高コントラスト、ピーク輝度、そして豊かな色再現性。自然界の美しさを、どこまでも忠実に描きだす「有機ELテレビ」XEL-1、誕生です。---と高らかに謳いあげソニーの有機ELテレビ(XEL?1)は世に産み落とされた。
価格は20万円と,フルハイビジョン画質の37型液晶テレビが買える価格水準。それでも前評判は上々でネット販売では1時間ほどで予定数量を超えたとソニーの関係者は言っている。(ソニースタイル)
薄さに注目が集まるが基本性能も圧倒的でコントラスト比は百万対一,動画応答速度は数マイクロ秒と,数ミリ秒台の液晶やプラズマとは桁違いで鮮明な動画像をより滑らかに表示できていると報告されている。少し技術的に解説すると,独自の「Super Top Emission」という構造により高い開口率を実現。さらに、多重反射により各画素の有機膜層から出力光を効率よく取り出すマイクロキャビィティ構造の採用や、出力光をカラーフィルタで調節することで、自然な発色と、高い色純度を実現している。
ソニーは,このパネルを愛知県東浦町のST LCD(Sony Toyata LCD)で製造し,ソニーEMS(ソニーイーエムシーエス)稲沢テックでテレビに組み立てている。「既存設備の活用で投資は抑えた」ということもあり月産は2000台。それでもかなりの生産量と当方は思うが,この商品に力を入れるソニーの狙いはいかに?
有機物が電気で発光することは60年代から知られていた。だが、高い電圧でわずかに光る程度で、すぐにぼろぼろになった。柔らかくて壊れやすく、電子部品には不向きというイメージがつきまとってきた。
そんな状況を一変させたのが、米イーストマン・コダック社の研究員だったC・W・タン博士(現・米ロチェスター大教授)が87年に発表した論文だ。
タン博士は、有機物を真空蒸着で厚さ数百ナノメートル(ナノは10億分の1)のきわめて薄い膜にし、電気を通しやすい層と発光しやすい層を重ねる方式を発明。低い電圧でも明るく光らせることに成功した。
薄膜を均一に密着させるほど電気がショートしにくく、寿命がのびる。空気に触れないようしっかり封じればさらに長持ちする。層の数を増やして組み合わせを工夫したり、添加物を混ぜたり。いくらでも新しい化合物を合成できる有機物の強みもあって、研究が急加速した。
有機EL材料のトップメーカーである出光興産は85年、青色に光る有機物の研究を開始。89年には1時間だった寿命が97年には1万時間にのびた。現在は量産品が2万時間を超える。
出光は緑や赤の発光材料の開発にも成功し、今回のテレビ用の有機ELをソニーと共同開発に至った。細川地潮・電子材料開発センター所長は「消費電力ももっと下げられる。シンプル、薄型、省エネの究極のテレビになると思う」と話す。
よくわかる新有機ELディスプレイ
有機EL素子の開発と構成材料
有機ELディスプレイ
[2] ソニーの有機EL開発の歴史
ソニーが有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレイの開発に着手したのは1998年と比較的新しい。そして2000年の春には約4インチのフルカラーパネルを開発。同年末には13インチの試作にも成功している。
しかしながら社内では次第にこの開発に対して風当たりが強くなってきていた。電気部門の不振で業績が悪化しているのにも関わらず金食い虫なのであった。開発資金につまりまずは携帯端末向けで実用化を目指すことになったのである。
「ここであきらめたら有機ELは永遠にテレビに出来ない」と当時開発の責任者だった占部哲夫ディスプレイデバイス開発本部長は,上司だった中鉢良治・現社長にこう訴え,大画面用の研究ラインの設置にこぎつけた。技術開発や技術革新を重ね今や「流れは有機ELに来ている」と有機ELの開花に迷いは無い。
とはいえ,量産技術は試行錯誤が続いている。今回の11型は携帯電話などに使われている低分子型。低温ポリシリコンTFT基板に材料をメタルマスク蒸着したもの。低分子型は技術は確立しているが設備面ではパネルの大型化が難しい。ソニーは新開発の基板に材料をレーザー転写することで低分子で大型化する技術を開発したとしているがそれでも「越えなければならないハードルが多い」と中鉢社長は正直に答えている。
ここでソニーの選択した技術が正しいのか検証するには,多くのスペースを必要とする。さらに一言で有機ELと言ってもまだ技術手法が統一される動きになっているわけではなく百家争鳴の状態なのである。
そのことをまず簡単に整理していく必要があると考えている。
ただ阿社なりの結論をはじめに述べると「ソニーの技術方向性にはかなり懐疑的」と考えざるを得ないと思っている。
ソニーは1998年から有機ELに着手と最初に書いた。これは本当にまだ十年にも満たないのである。ソニーが如何に深く要素技術および量産技術を見据えて開発を進めて行ったのかという点でかなり疑問に思えるのである。
[3] セイコーエプソン
長野県富士見町。液晶パネルなどを生産しているセイコーエプソンのこの工場では,8インチの有機ELディスプレイの08年秋の量産化を目指し歩留り向上に向けた対策などの準備を急ピッチで進めているという話です。
このディスプレイの厚さは,2.8mmで,ソニーの有機ELテレビよりも更に薄いのが売りだとしていますが,たった0.2mmの差ですからどのように受入れられるのでしょう。とにかく「世界一,World Number 1! 」を狙うというのは分かりますが...
有機ELとして課題とされていた製品寿命は,5万時間以上で液晶ディスプレイとほぼ同レベルまで近づけたと発表しているのがすごいですね。
年間数千枚規模でパネルや完成品のモニターを出荷する予定で,まずは店舗やカーナビステーションシステムなどの業務用から需要を開拓する狙いですが,「既に十数社から商品供給の打診を受けた」と言っています。
セイコーエプソンの液晶部門は営業赤字(07年9月中間期)。主力の中小型の液晶パネルが苦戦を強いられたためということもあり,花岡社長は「一歩一歩じっくりと取組む」と有機ELへの期待を込めています。
とはいえ,2004年に“世界最大サイズ”の40インチのフルカラー有機ELディスプレイ(OLED)として発表もしています。(複数枚を繋いでいたんですが) 本心は今でも大型が出来なければと思っているんじゃないのでしょうか?(参照:「大型化できなければ有機ELは勝ち残れない」)
[4] 東芝
また東芝は09年度を目処に有機ELテレビを販売すると表明しています。
なんと32インチの投入が有力との話があります。東芝はSEDがこけて行き場を見失ったかと思えましたが,しっかりとこの分野でも取組んでいるんですね。
低温ポリシリコンの技術は持っていますので意外と良いポジションに居るのかもしれません。2007年4月開発の21インチサンプルはRGB3色発光層には高分子の有機EL材料を用いて、インクジェット方式による塗り分けプロセスを採用したようですが,これから先が長いのかなぁ?

【発売日:2007年11月9日】最新有機EL採用 東芝デジタルオーディオプレーヤー gigabeat U206
[5] サムソン電子
また韓国サムソン電子(40”のサンプルを試作済み)も10年を目途に14”テレビを本格的に量産する方針。
小型では携帯電話の分野にいち早く乗り込んでいます。展示会などで大型のサンプルは見せているものの性急に大型は狙わずに手堅く小型で当面は行くのか...

これまで液晶やプラズマで競ってきた大手電機メーカーを中心に市場開拓に乗り出そうとしていますね。
[有機ELサイト]
All about 話題のテレビ「有機EL」とは?
有機ELテレビ・ナビ
有機EL研究室
(有機EL時代の到来か? その流れを追う?へ続く)
長野県富士見町。液晶パネルなどを生産しているセイコーエプソンのこの工場では,8インチの有機ELディスプレイの08年秋の量産化を目指し歩留り向上に向けた対策などの準備を急ピッチで進めているという話です。
このディスプレイの厚さは,2.8mmで,ソニーの有機ELテレビよりも更に薄いのが売りだとしていますが,たった0.2mmの差ですからどのように受入れられるのでしょう。とにかく「世界一,World Number 1! 」を狙うというのは分かりますが...
有機ELとして課題とされていた製品寿命は,5万時間以上で液晶ディスプレイとほぼ同レベルまで近づけたと発表しているのがすごいですね。
年間数千枚規模でパネルや完成品のモニターを出荷する予定で,まずは店舗やカーナビステーションシステムなどの業務用から需要を開拓する狙いですが,「既に十数社から商品供給の打診を受けた」と言っています。
セイコーエプソンの液晶部門は営業赤字(07年9月中間期)。主力の中小型の液晶パネルが苦戦を強いられたためということもあり,花岡社長は「一歩一歩じっくりと取組む」と有機ELへの期待を込めています。
とはいえ,2004年に“世界最大サイズ”の40インチのフルカラー有機ELディスプレイ(OLED)として発表もしています。(複数枚を繋いでいたんですが) 本心は今でも大型が出来なければと思っているんじゃないのでしょうか?(参照:「大型化できなければ有機ELは勝ち残れない」)
[4] 東芝
また東芝は09年度を目処に有機ELテレビを販売すると表明しています。
なんと32インチの投入が有力との話があります。東芝はSEDがこけて行き場を見失ったかと思えましたが,しっかりとこの分野でも取組んでいるんですね。
低温ポリシリコンの技術は持っていますので意外と良いポジションに居るのかもしれません。2007年4月開発の21インチサンプルはRGB3色発光層には高分子の有機EL材料を用いて、インクジェット方式による塗り分けプロセスを採用したようですが,これから先が長いのかなぁ?
【発売日:2007年11月9日】最新有機EL採用 東芝デジタルオーディオプレーヤー gigabeat U206
[5] サムソン電子
また韓国サムソン電子(40”のサンプルを試作済み)も10年を目途に14”テレビを本格的に量産する方針。
小型では携帯電話の分野にいち早く乗り込んでいます。展示会などで大型のサンプルは見せているものの性急に大型は狙わずに手堅く小型で当面は行くのか...

これまで液晶やプラズマで競ってきた大手電機メーカーを中心に市場開拓に乗り出そうとしていますね。
[有機ELサイト]
All about 話題のテレビ「有機EL」とは?
有機ELテレビ・ナビ
有機EL研究室
(有機EL時代の到来か? その流れを追う?へ続く)







![[台湾報道] iPhone5、サプライチェーン・部品供給と業界動向](https://resize.blogsys.jp/2b2ea1762e7df88c230afdff79b266472bb09066/crop1/140x140_ffffff/http://livedoor.blogimg.jp/return_to_forever-flat-display/imgs/f/d/fd049ff2-s.jpg)



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