“盟友”の書き入れ時に、ソニーは半ば苦々しい思いに違いない。シャープのパネル工場を分社化した新会社に、昨年12月から出資。出資比率に応じて、新工場で生産したパネルの供給を受けることになっている。
2004年に韓国サムスン電子と合弁会社を設立したソニーだが、パネルの需給バランスは崩れやすい。安定した購買先を確保するためシャープへ出資を決めた。新工場で生まれる莫大なパネルの消化先が確保できるシャープにもメリットはある。
ウィン・ウィンの関係のはずだった。
だが両社の関係者によると、3月ごろからシャープはソニーとの計画に対し最大3割のデコミット、つまり取り決め数量未達を生じさせているようだ。東芝など多数の顧客を抱えており、「あらゆる顧客からの引き合いが旺盛」(シャープ幹部)と想定を超える需要が要因としている。
通常、基幹部品の調達が最大3割も計画割れすることはありえない。ソニーは10年度のテレビ販売台数を前期比1.7倍(2500万台)に伸ばし、サムスンなどへ反転攻勢を仕掛けようと鬨(とき)の声を上げた矢先。シャープの不足分を補うべく、韓国と台湾からの緊急調達に追われるテレビ関係者は「なぜパネルを寄こさない」と怨嗟の声を漏らす。
勝負時の大幅なデコミットは今後、両社の合弁会社をめぐる協議にも影を落としそうだ。
[管理人] 納入のデコミットについては、当事者同士じゃないとわからない微妙な原因がある可能性があります。シャープからソニーに納めているパネルは特殊な仕様になっていて、生産に入る一定前からそれらの部材の調達を進めておかなければなりませんからね。
フォーキャストが正しかったのかとか、伝達のタイミングは正しかったのかとか...
Sharpはその辺り厳格に運用します。一方台湾のEMS/パネルメーカーはそれなりに柔軟な運用を見せます。続きを読む »