液晶パネル最大手、友達光電(AUO)の李焜耀董事長が、ノートパソコン受託製造大手、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)の林百里董事長、梁次震副董事長と面会し、提携関係の強化を協議したもようだ。鴻海科技集団(フォクスコン)が液晶パネル2位の奇美電子(CMO)を買収する衝撃に対抗すべく、AUOはクアンタのほか、中華映管(CPT)の買収を通じて2位株主の仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)とも提携を強化し、「対鴻海連合軍」の結成に動いていると伝えられている。1日付経済日報などが報じた。

鴻海集団傘下のパネルメーカー、群創光電(イノルックス・ディスプレイ)による奇美電の買収により、鴻海集団は川上部品である液晶パネルから、川下のノートPCや液晶テレビなどの電子製品まで、すべて大規模な生産能力を備えることになった。一方、AUOは奇美電を上回るパネル生産能力を持つものの末端製品は生産しない。 このためAUOは、ノートPC受託生産2強との提携強化を進めることでパネルの供給先を確実にし、パネル業界首位の座を死守したい考えとみられる。クアンタとコンパルにとっても、鴻海がノートPC受託生産を強化する中、パネルの供給源確保はより多くのブランドメーカーからの受注獲得、 および鴻海への流出防止の上で有益だ。証券アナリストは「AUO、クアンタ、コンパルの提携は必然の流れ」と指摘している。
なお、AUOとクアンタは元来密接な提携関係にあり、クアンタは2006年、傘下のパネルメーカー、広輝電子(クアンタ・ディスプレイ)をAUOに売却している。
コンパルの陳瑞聡総経理は先週、李AUO董事長から提携強化の打診を受けたことを明らかにし、AUOによる中華映管の引き入れ工作かとの観測が出たが、30日は「AUOが12月4日に中華映管合併を発表する。株式の交換比率はAUO1株に対し中華映管8株」という情報が市場で流れた。

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