16日付工商時報が中国メディアの報道を引用して報じたところによると、鴻海科技集団(フォックスコン)とソニーが合弁で、中国・山東省煙台市に世界鴻海最大規模の液晶テレビ生産拠点を設ける計画だ。日台連合は、サムスン電子、LGエレクトロニクスの韓国勢への対抗が狙いとみられる。
中国メディアの経済観察網によると、同情報は山東省商務庁が明らかにしたもので、液晶テレビの年産能力は3,000万台、同省は5万件以上の就業機会創出を見込む。
鴻海の煙台拠点は、同計画によって新たに生産額が900億人民元(約1兆1,500億円)増加し、規模が2倍に拡大する(昨年970億人民元)。同拠点は鴻海にとって中国で広東省深セン市に次ぐ規模で、2倍となれば深センと並ぶ。
鴻海は煙台拠点で、パソコン、携帯電話、ゲーム機など各種電子製品や部品の研究開発(R&D)・製造を行い、液晶テレビも少量を手掛ける。山東省最大の外資系企業で、昨年の輸出額は90億8,000万米ドルに上り、同省の輸出総額の1割を占めた。従業員数は8万人余り。
中国のテレビ業界関係者は、サムスンやLGに対抗するため、台湾メーカーが関係の深い日本ブランドと手を組んだとの分析を示した。鴻海集団は2009年9月、ソニーからメキシコの液晶テレビ工場を買収、昨年もスロバキア工場の株式90%を取得するなど、提携関係を深めている。
一方、中国メディア、第一財経日報によると、鴻海は今年1月、中小型タッチパネルとフラットディスプレイの生産ため、広東省東莞市の裕元工業園区で工場棟(10万平方メートル)を借り受ける契約を結んだ。
同市黄江鎮委員会の劉志達委員によると、投資総額は1億米ドル、当初2,500万米ドルを投じる計画。春節(旧正月)前から従業員募集と教育を行っており、3月にも稼働する予定だ。同工場の年産額は今年1億米ドル、1億米ドル全額を投じた時点で2億5,000万米ドルを見込む。