「薄型パネルへの過剰投資」問題だが、筆者は「過剰」ではなく、むしろ「過小」であったと考える。例えば、シャープは亀山工場、堺工場と相次いで液晶パネルの先端工場を立ち上げ、国内メーカーの中では投資を牽引してきたとの印象が強いが、韓国や台湾など海外の大手競合メーカーは、概ね同社を上回る規模の投資を続けている。日本メーカーは決算対策のために、不況局面では投資を抑制する傾向が強いが、海外メーカーは決して投資の手を緩めない。08年の世界金融・経済危機以降、そのような傾向がより鮮明になっている。薄型パネルは半導体とともに典型的な設備集約型産業であり、大型投資の継続による生産性の向上が競争力の源泉となる。液晶パネル市場では、現在し烈な「サバイバルゲーム」が展開されており、その「最終章」も近い。

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