中小型液晶パネルで世界最大手のジャパンディスプレイ(東京・港)は2013年に、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルの生産ラインを茂原工場(千葉県茂原市)に新設する。投資額は200億~300億円のもよう。米アップルへの供給もにらみ、スマートフォン(高機能携帯電話)向け有機ELパネルを生産する。先行する韓国サムスンディスプレーを追い上げる。
有機ELは、ホタルのように自発光する有機材料を画素に使う。パネルの後方から光を当てる液晶より、パネルを薄くして、消費電力を抑えることができる。




 日立製作所と東芝、ソニーの中小型パネル事業を統合したジャパンディスプレイは、1インチ当たりの画素数が326ピクセルという高精細な有機ELパネルを開発した。

 1画素に3原色(赤、緑、青色)をストライプ状に配列している。「2色の画素を交互に並べるサムスンより色の再現性が高い」(ジャパンディスプレイ)という。

 13年度に試作を始めて国内外のスマホメーカーと性能などを検証し、14年度から本格的な量産に入る計画だ。1000億円程度を投じて設備を増強することも検討する。

 米NPDディスプレイサーチによると、中小型の有機ELパネル市場は16年には11年比で約5倍の171億ドル(約1兆3100億円)となる見通し。現在はサムスンが約9割の世界シェアを握る。ジャパンディスプレイは母体3社の有機EL技術を持ち寄りサムスンの独占を崩したい考えだ。

 現在、アップルは「iPhone」に液晶パネルを搭載している。サムスンは、内製する有機ELパネルの大半を自社ブランドのスマホなどに搭載しており、外販する余力は乏しい。ジャパンディスプレイはアップルに有機ELパネルを供給できれば、早期に収益事業に育つとみている。