2012年Q2の携帯電話・スマートフォン向けディスプレイ市場は、YOY-4%、QOQ-5%の月産平均約1億2,000万枚で推移した。例年どおりであれば、Q2は出荷量が拡大するタイミングである。しかし今年は主要端末メーカーがディスプレイ調達を慎重に行ったことから、前期に対し出荷量が減少する結果となった。
特にiPhone5の買い控えの影響を受けたハイエンド端末が不振であり、LTPSモジュールの出荷量は大幅に減少した。

端末メーカー別の状況は、NokiaがLTPSの調達量を大幅に減少させた他、AM-OLEDの調達量も減少するなど、ハイエンド製品で苦戦が続いている。同社はWindows OSを搭載した「Lumia」シリーズの新機種を発表し、北米市場でのプロモーションに注力したものの、市場の注目は得られていない状況にある。




Samsung Electronicsは中国LCDメーカーの半完成品を積極的に調達し、内製モジュールの採用を拡大している。一方、モジュール形態での調達は減少しており、特に価格対応の難しい日韓メーカーからの調達量を減少させた。AM-OLED調達量は、「Galaxy S」の新機種のヒットを受けて、好調に拡大を続けている。

HTCは前期に生産調整を終え、大幅にディスプレイ調達量を拡大させた。ボリュームゾーンの製品は好調に推移しており、WVGA及びQHDモジュールの調達が拡大している。しかしながら、ハイエンド製品はAppleや Samsung
Electronicsに劣勢を強いられており、AM-OLEDの調達は小幅な伸びに留まっている。

Appleはモデルチェンジ前の生産調整を行った模様であり、ディスプレイ調達量を大幅に減少させた。Q3には新モデルに向けたディスプレイ調達も開始しているが、技術的難易度が高く大幅な回復には至らない見込みである。