シャープは2日、2013年3月期の連結最終損益が2500億円の赤字になる見通しだと発表した。年間配当は62年ぶりに無配とする。同日、決算を発表したソニーは通期見通しを下方修正したものの200億円の最終黒字を確保する見通し。パナソニックも最終黒字を見込む。テレビを主力としてきた3社の再建スピードに違いが出てきた。

急激な業績悪化を受け、シャープは一段のリストラを実施する。3月末で約5万7千人いた連結従業員を13年3月末までに国内を中心に約5千人減らす。EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループと共同運営する液晶パネル生産の堺工場(堺市)に約1300人を移しており、残り3700人を「希望退職の募集と自然減で減らす」(奥田隆司社長)。

 テレビや太陽電池の生産拠点の再編も含め、13年3月期に構造改革費用として約500億円を計上する。経営責任を明確にするため、役員報酬の削減幅をこれまでの10~30%から20~50%に拡大する。

 シャープは12年3月期に構造改革費用を積むなどしたため3760億円の最終赤字を計上。今期の最終赤字は300億円になると見通しを公表していた。しかしわずか3カ月で赤字幅が大幅に拡大した理由はテレビの想定を上回る不振だ。

 主力の薄型テレビは日本と中国の不振が続く。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)向け中小型液晶パネルは大口顧客からの受注が後ずれし、次期主力製品と見込む高精細パネルも量産開始も遅れた。液晶パネルの主力工場の操業率は3割にとどまり、営業段階で約1千億円の減益要因になった。

 「上期がボトム。下期は改善する」。今後の見通しについて奥田社長はそう強調した。堺工場の液晶パネルは鴻海グループへの供給が始まり、10月以降に稼働率が8~9割まで向上するという。

 もっとも先行きには不透明感が漂う。3月末に資本業務提携を結んだ鴻海は堺工場とシャープ本体に出資する予定だった。同日会見した奥田社長は「(本体出資の)条件は何ら変更することはない」としたが、出資完了時期は未定だ。