有機EL_SONY_PANASONIC















ソニー・パナソニックの有機EL協業は、
日本の先端技術においては他国に負けてはならないというトラウマから脱却する第一歩になると思います

---- この雑誌記事のように、どうして「日の丸」なんて接頭語がつくのか、時代錯誤的で滑稽に思えます ----

今回の選択のベースとして、
有機ELが近い将来のレンジで液晶テレビを駆逐するということに懐疑的であり、キラーテクノロジーにはならないと両社とも判断したと思われます。
なぜなら有機ELは液晶に比べて技術的な課題を持ち合わせており、特にテレビを前提とするならばその課題はより鮮明なものとなります。
なにしろスマートフォンの要求寿命は高々1-2万時間、かたやテレビの要求は一桁違います。またテレビはほとんど外に持ち歩くことはなくリビングルームに鎮座、本来の有機ELの自発光の特長もあまり発揮できません。

つまり性能は若干ベターとしてもその価値に顧客がいくらのお金を支払うのかという、本来の家電メーカーの冷静な視点で有機ELテレビを見た時、ソニーもパナソニックも有機ELへの傾倒を深めることには思いとどまったものと思われます。

但し転ばぬ先の杖、万が一有機ELが開花するワーストケースを考えた場合、共同開発という選択肢は、以下の点でメリットを醸し出すと考えられます。



自社にも有機ELの技術を保有していると主張できセールストークになる
有機EL製品テレビのラインアップを揃えざるを得なくなった場合、数のほとんど出ない高額かつ最上位製品(いわゆる客寄せパンダ)に自社の有機ELを採用し、その下位のモデルに例えばサムソンやLGから調達した有機ELを採用することで、有機ELの序列化を図りさらに自社の有機ELの優位性を誇張できる。
・あわよくば事業・ノウハウを台湾や中国の企業に売却することで投資のリターンを得ることができる。
・とにかく抱えている固定費をそれなりに活用したい(せざるを得ない)

つまり本気でやる気は無いが万が一の想定外を考えたときの「負けない布石」と両社の考えは一致したのではないでしょうか?
最悪の状況の中では最善の選択だったと管理人は勝手に思っています。