大日本印刷は液晶パネルの表示に欠かせないカラーフィルターを印刷技術で作製することに成功した。ガラス基板をロール状に巻き取るようにして加工でき、製造時間が2割短くなる。軽くて折り曲げ可能なディスプレーの普及に役立つ技術として、2014年度にも実用化する。
成果は米国で開かれる国際会議で6日、発表する。



カラーフィルターはガラス基板に赤・青・緑の着色剤を塗布してつくる。厚さが0.1ミリメートル以下に薄くなると、ガラス基板を一度切り取って一枚ずつ加工していく必要があった。
大日本はロール状に巻かれたガラス基板を引き出しながらカラーフィルターを印刷する技術を開発した。製造工程でガラス基板にひび割れが生じる問題があったが、基板を引っ張る力加減を精密に制御することで課題を克服した。
厚さ0.07ミリメートルのガラス基板でカラーフィルターを試作し、カラー画像が表示できることを確かめた。基板が薄いため、折り曲げることも可能だ。
スマートフォン(高機能携帯電話)など薄さが求められる用途では、カラーフィルターを塗布したガラス基板を薬品などで溶かして薄くしている。環境への負荷が大きく、手間がかかっていた。