大日本印刷は2日、2012年3月期の連結純損益が164億円の赤字(従来予想は80億円の黒字)になる見通しだと発表した。顧客の電機メーカーが製造する液晶テレビの不振が響き、部材のカラーフィルターが苦戦。関連設備について約247億円の減損処理を行い、純損益は09年3月期以来3期ぶりに赤字に転落する。 
 売上高は1兆5072億円(同1兆5400億円)、営業利益は340億円(同380億円)に下方修正した。配当予想は変更しない。
 主要顧客のシャープなどが液晶テレビの生産調整を実施した影響で、カラーフィルターは「昨年後半から年明けに稼働率が50%を切る時期が数カ月あった」(山田雅義副社長)という。
 この事態を受け、同社は中小型液晶や有機ELディスプレー向け製品へのシフトを加速させる方針。埼玉県加須市の工場は生産を縮小し、中小型液晶向けの製造設備を広島県三原市の工場に移設する。