2011年の中小型TFT液晶市場は、セル生産ベースで24億9,494万枚となり2010年の23億7,506万枚から+5%の成長となった。数量規模での成長は鈍化しているが、2011年のガラス基板の投入面積ベースは、2010年の1,132万㎡からYOY+17%の1,326万㎡となる見通しである。
携帯電話市場でのスマートフォンへのリプレースが進んだことにより、画面サイズが大型化したことが面積ベースの拡大を後押しした。
アプリケーション別に見た場合、2011年の携帯電話向け(スマートフォンを含む)パネル生産は、YOY+7.6%の20億4,587万枚であった。デジタルカメラ向けは殆ど変化が見られず、2011年のパネル生産はYOY+2%の1億4,545万枚であった。携帯ゲーム機向けは2011年後半にNintendo 3DSの販売量が拡大したため、2011年の生産量は5,341万枚となり、YOY+13%を記録した。車載用途のパネル生産は年間を通じて拡大基調を維持し、2011年の生産量は4,396万枚、YOY+47%と力強い伸びを示した。
一方で、不調が続くPND(ポータブルナビゲーションデバイス)向けのパネル生産は、2011年にはYOY-46%の2,697万枚まで縮小、また、ポータブルオーディオ向け生産量も大きく減少、2011年は3,785万枚となり2010年の6,660万枚から-43%となった。
PNDとポータブルオーディオの市場縮小にはスマートフォンの拡大が影響していると考えられる。ただし、スマートフォンに機能集約が進む一部のアプリケーション市場が縮小しても、中小型TFT液晶市場全体での成長は続いている。