シャープは18日、市販品では世界最大となる90型の液晶テレビを、来年中にも北米で発売する方針を明らかにした。また、日本では、国内最大の80型液晶テレビを早ければ来春発売する。中小型液晶テレビの価格下落が続く中、強みのある“超大型”に重点を置き、テレビ事業の収益性を高める。2013年3月期には60型以上の液晶テレビ販売を250万~300万台に引き上げ、12年3月期予想の1.5倍超とする計画だ。

 90型は画面サイズが縦1.12メートル、横2メートル程度と、特注品以外の市販テレビでは世界最大となる。シャープは北米で今年4月に70型、10月には80型の液晶テレビを発売。いずれも市販品として世界最大クラスだが、日本に比べリビングなどの間取りが広い米国では大画面テレビの需要が一段と高まっていることに対応する。価格などの詳細は今後詰める。




 日本でも9月に70型の液晶テレビを発売したが、12月単月の国内テレビ販売予想では、60型以上の超大型テレビが3万台を突破する見通しとなった。国内では今後も超大型テレビの需要が高まると判断、80型の発売に乗り出す。

 国内のテレビ市場でも大画面化のニーズは高まっており、12年3月期には60型以上の液晶テレビの販売台数が150万~200万台と、全体の10%以上を占める見通し。

 シャープは60型以上のテレビの生産に適した「第10世代」といわれる堺工場(堺市)を持ち、他のメーカーに比べ低コストで超大型テレビを生産することができる。