船井電機(大阪府大東市)が、インド進出を検討していることが分かった。販社を設立する方向で調整を進めている。進出時期は今年後半から来年初めになる見通しで、タイで製造した液晶テレビを、インドに輸入する形で事業展開する方針だ。
船井電機の広報担当者は、「投入する製品をタイ工場で生産することは決まっているが、現地での事業展開はさまざまな可能性を検討している」と説明。「船井ブランド」としての投入、他社にOEM(相手先ブランドによる生産)供給する手段など、攻略戦略を立案している段階だという。
OEMの供給先については、「インドで事業展開する企業と話し合っているが、具体的なことは公表できる段階にない」と現状を明かした。現段階で工場の建設計画はない。
同社はインド進出を通じ、新興国での売上高を高める戦略に乗り出す。主要新興国のブラジル、ロシア、インド、中国(BRICs)の中では初めての進出地となる。
背景には、売上高の約半数を占める北米市場の成長鈍化がある。主力市場の伸びが期待できないため、急成長する新興国への進出で事業拡大を図る狙いだ。
船井電機の広報担当者は、「
OEMの供給先については、「
同社はインド進出を通じ、
背景には、売上高の約半数を占める北米市場の成長鈍化がある。
インドを選んだ理由として、広報担当者は、「人口12億人という巨大市場に加えて、経済成長が著しいためだ。このほか、インド市場では32インチ以下の小型液晶テレビが売れ筋なことも、船井が強みとする分野と合致した」と指摘。インド事業を足がかりに、新興国市場攻略を図る方針も示唆した。
インドの液晶テレビ市場は現在、ブラウン管テレビからの買い換え需要が高まったことを背景に、家電各社による競争が過熱している。相次ぎ新製品の投入で、市場攻略を推し進める戦略に乗り出す企業も目立つ。
船井電機の2011/12年度第1四半期(11年4~6月)の売上高は前年同期比12.5%減の656億1,800万円、純利益は同95.0%減の6,000万円だった。主力の北米で、液晶テレビ市場が低迷したことに加え、価格下落による大幅な減収が響いた。
仕向地別売上高は、北米が同27.3%減の298億円(売上比率45%)、欧州が同57.7%減の30億円(5%)、アジア他が同23.9%減の51億円(8%)、日本が同38.2%増の277億円(42%)と、日本以外の地域は軒並み減収となった。日本は地上波デジタル放送への移行に伴う特需で増収を記録した。
通期予想では、全体の売上高は前期比4.8%増の3,100億円と見通している。内訳は、北米が同17.1%増の1,825億円、欧州が同14.7%増の273億円、アジア他が同46.6%減の118億円、日本が6.2%減の884億円。
インドの液晶テレビ市場は現在、
船井電機の2011/12年度第1四半期(11年4~6月)
仕向地別売上高は、北米が同27.3%減の298億円(
通期予想では、全体の売上高は前期比4.8%増の3,
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