サムスン電子とソニーは、7年間にわたり進めてきた液晶パネル事業の合弁解消に向けた協議に入った。電子業界関係者が26日、明らかにした。

 同関係者によると、ソニーがサムスン電子との合弁会社「S‐LCD」への出資を引き揚げる方向で協議が進んでいるという。

 両社は2004年、S‐LCDを折半出資で設立し、韓日のライバル企業としては異例の合弁事業を展開してきた。S‐LCDは忠清南道湯井に工場2カ所(第7世代、第8世代)を保有しており、昨年の売上高は11兆3700億ウォン(約8450億円)。主に40インチ以上のテレビ用液晶パネルを生産し、サムスン電子とソニーに半分ずつ供給している。

 合弁解消交渉は、主に李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子社長とソニーの平井一夫副社長との間で進められているという。

 S‐LCDの合弁解消は、双方の利害関係が一致した結果だ。ソニーは今年初めからLGディスプレーなどに部品調達先を多角化し、より安く液晶パネルを調達しようとしてきた。ソニーの加藤優・最高財務責任者(CFO)は今年2月「サムスン、シャープ、その他から調達する比率を調整し、液晶パネル需要と価格のバランスを取る」と話していた。

 サムスン電子もS‐LCDの工場を中長期的に有機発光ダイオード(OLED)工場に転換することを視野に入れているとされる。携帯電話用のOLEDの需要が高まっていることが理由だ。サムスンのOLEDメーカー、サムスンモバイルディスプレー(SMD)は昨年、売上高4兆4500億ウォン(約3300億円)、営業利益3300億ウォン(約245億円)を記録し、営業利益は前年の3倍に増えた。