スマートフォン向けディスプレイは、2009年のAndroid OSのWVGAサポート、2010年のiPhone4登場を契機に、急速に高画素化が進んでいる。2011年末にリリース予定の次期Android OS(通称 ’Ice Cream Sandwich’)では、HD720※1をサポートする予定であり、2012年には多くの機種がHD720を搭載、さらに高画素化が進む見通しである。WVGAの場合は、画面サイズを4”まで上げることで、精細度が220PPI※2程度に抑えられ、a-Siでも対応することが可能であるが、HD720の場合、画面サイズを4.5”まで上げても精細度は330PPIを超えるため、殆どのメーカーでLTPSが必要となる。そのため、今後はLTPSを高い歩留まりで生産できるメーカーが、スマートフォン向けディスプレイ市場で競争力を維持する見通しである。

※1 HD720 : 1280×720のHDスペックの画素フォーマット
※2 PPI : Pixels Per Inch