米マイクロソフト(MS)は2日、同社の次世代OS(基本ソフト)ウィンドウズ8(Windows8)を台北国際電脳展(台北国際コンピューター見本市、コンピューテックス)で発表した。同OSの開発段階では華碩電脳(ASUS)をはじめとした台湾のパソコン関連メーカーが協力する。タブレット型PCに搭載でき、タッチスクリーン方式での操作が可能な同OSは、アップル「iPad」への対抗を意図したものとみられており、台湾PC各社も期待を寄せている。3日付経済日報が報じた。
MSのウィンドウズ事業群ハードウエア・PCエコシステム部門副社長であるマイケル・アンギウロ氏はコンピューテックスでの記者会見で、ウィンドウズ8の特徴について、▽快適な画面のタッチ操作を実現▽ARMアーキテクチャもサポート▽ノートPCとタブレットPCの双方に搭載可能▽ウィンドウズ7よりも起動時間が40%短い──などを挙げた。

 タブレットPCはARMアーキテクチャのプロセッサー採用機種が先行しており、ウィンドウズ8はこれをサポートし、タッチ操作を可能にしたことで、タブレットPCで搭載機種が拡大することが期待される。同OSの搭載した機種の発売時期は、2012年第4四半期が予想されている。
記者会見には、▽華碩電脳(ASUS)▽和碩聯合科技(ペガトロン)▽鴻海科技集団(フォックスコン)▽広達電脳(クアンタ・コンピューター)▽緯創資通(ウィストロン)──の台湾のブランド・受託メーカーが参加した。

 このうちペガトロンの程建中執行長は「従来のPCにもタブレットPCにも搭載でき、ユーザーの従来の使用経験を生かせるメリットがある」と指摘した。ASUSの施崇棠董事長は今後のクラウド・コンピューティングのプラットフォームとして、アップル、グーグルのアンドロイド、ウィンドウズの3者がシェアを獲得するとの見方を示し、「当社はアンドロイドとウィンドウズの2つのオープンプラットフォームで、競争力を高めたい」と語った。
 記者会見に参加した台湾メーカーはノートPCおよびタブレットPCに搭載するOSの開発でMSに協力していくが、この中に宏碁(エイサー)、および同社最大の受託先、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の名前がないことが注目を集めた。しかし、同日付蘋果日報によると、次回米国で行われる説明会では、宏碁(エイサー)と宏達国際電子(HTC)のウィンドウズ8搭載のデモ製品が登場するという。