「人材は4流、管理は3流、設備は2流、しかし顧客は1流」

 電子機器受託生産(EMS)の世界最大手、フォックスコンの創業者である郭台銘董事長が、自らの経営哲学を説明する際、好んで話すといわれる言葉だ。ビジネスを発展させるカギは、いかに一流の顧客をつかむかにかかっているということなのだろう。

上海郊外松江区にあるフォックスコングループの工場

 そのフォックスコンの顧客の代表格に挙げられるのがAppleとMicrosoft。iPhoneやiPadの世界的ヒットでいまをときめくスティー ブ・ジョブズ氏がAppleを創業したのは1976年。Windowsで世界を席巻したビル・ゲイツ氏がMicrosoftを創業したのは1975年。そ して後年、AppleとMicrosoftを顧客に抱えることになる郭台銘氏が、フォックスコンの前身となる鴻海工業を立ち上げたのは1974年のこと。 パソコン時代の申し子とも言える3人が、ほぼ同時期に創業していたという事実は興味深い。 (下記へ続く)

EMSといえばフォックスコン、その素顔は(前編)

EMSといえばフォックスコン、その素顔は(後編)