東芝(6502.T: 株価,ニュースレポート)、日立製作所(6501.T: 株価,ニュースレポート)、パナソニック(6752.T: 株価,ニュースレポート)の液晶パネル工場が、11日の東日本大震災の影響で停止していたことが明らかになった。いずれも地震の影響を受けた埼玉県と千葉県の拠点で、その他の拠点は通常稼働を続けている。

液晶パネル生産はクリーンルームを必要とする精密な製造装置が配置されているため、点検・復旧には時間がかかる上、東京電力(9501.T: 株価ニュース,レポート)の計画停電や部材調達の影響を受ける可能性もあり、稼働再開の時期は不透明だ。

東芝では、携帯電話やスマートフォンに使われる中小型液晶パネルを製造する東芝モバイルディスプレイ(TMD、本社:埼玉県深谷市)の深谷工場の稼働を地震発生の11日から停止。深谷工場の建物破損は確認されなかったが、生産設備のずれの点検や調整で復旧には1カ月程度の時間がかかる見通し。ただ「計画停電がどのように影響するのか見通せない」(TMD広報)状況だ。TMDの石川工場(能美郡川北町)は通常稼働をしている。

日立も11日から、中小型液晶パネル製造の日立ディスプレイズ(本社:東京都千代田区)の茂原工場(千葉県茂原市)の稼働を停止中。天井の破損や装置の位置ずれがあり、復旧は4月初旬までかかる見込みだが、本格稼働は計画停電や部材調達がどこまで響くか見極める必要があるという。顧客の携帯メーカーへの影響については、台湾の奇美電子(チーメイ・イノラックス)(3481.TW: 株価企業情報レポート)と生産委託提携を結んでおり「その範囲で供給責任を果たしたい」(同)という。

パナソニック(6752.T: 株価ニュースレポート)も、テレビ用の大型液晶パネルを製造するパナソニック液晶ディスプレイ(本社:兵庫県姫路市)の茂原工場(千葉県茂原市)を停止中。11日の地震で製造装置が停止した。現在、点検作業を続けているが復旧の見通しは立っていない。ただ、姫路工場は通常稼働しているので「供給に影響がないようにしたい」(広報)としている。