LED光源は、日常生活における一般照明の他、携帯機器、自動車、大型バックライト・ユニット(BLU)、電光掲示板など、発光が求められるあらゆる分野に応用できるため、市場ポテンシャルが極めて大きい上、新たな用途にも採用が始まっている。最近では、韓国のSamsungやLGなどの大手企業がLED産業の垂直統合化/集積化を推進し、チップ/パッケージなどから応用製品までを網羅、大規模な投
資に乗り出している。これにともない、関連設備や半導体テストハウスなども市場拡大を期待し、それぞれ開発や製品化を急ピッチで進めている。 こうした中、現在はLED用インゴットと基板が大きなトピックとなっている。
LEDの基板は、サファイア(現在、生産されているLEDの約90%)もしくは炭化ケイ素(SiC:現在、生産されているLEDの約10%)が使用されており、サファイア基板は今後5年間、毎年20%以上の需要増が見込まれる。
 サファイアインゴットと基板の供給量も、2010年以降は毎年20%以上の増加が予想されることから、サファイア単結晶成長装置メーカー、単結晶メーカー、単結晶を加工する基板メーカー全てが生産能力の増強を進めている。
 LEDの効率は、内部の量子効率と外部の光取り出し効率に分類される。内部の量子効率を改善する最善の方法は、格子の不整合を小さな基板に採用することで、SiC基板、GaN基板、ZnO基板などが新たなLED用基板として期待されている。 しかし、上記の基板は製造単価が高く、現時点ではSiC基板以外は量産工程に採用されていない。一方、2010年現在、ほとんどのメーカーが採用しているサファ
イア基板は、LED市場の急拡大に投資が追い付いておらず、需給の不安定な状態が続いている。