2010年上期にエッジ型LEDバックライト・ユニット(BLU)搭載LCD TVの需要急増により、同TV用導光板の原材料が不足するという問題が発生した。このため、同期間にわたって、原油を原料とするMMAやPMMAの価格が上昇するという事態を招いた。
一方、加工側では既存の拡散板製造ラインが導光板用に転換されるなど生産能力の拡大が続いており、競争は激化の一途を辿っている。

最近は、LED LCD TVの在庫は過剰気味で、導光板など部材のタイト感不足は緩和している。TVメーカーは積極的なマーケティングと低価格化を進めるなど在庫解消を推進しており、生産台数は今年上期に比べると減少し、導光板製造ラインの稼働率も低下した。
しかし、エッジ型LED BLU搭載モデルの需要は増加が続くとみられ、現在の稼働率の調節が、2011年は今年の倍増以上に拡大するLED LCD TV市場に悪影響を及ぼす可能性が高い。

現在、導光板の需給に問題は見られないが、これは一時的なもので、長期的にはMMAの需給はタイトな状況が続くと予想される。
こうした中、導光板メーカーは、(1)薄型化、(2)高輝度化、(3)新製造プロセス/材料の開発に注力している。