2010年冬商戦を前に、キャリア各社が相次いでスマートフォンの発表を行った。KDDIがシャープ製の「IS03」、NTTドコモがSamsung電子製の「GALAXY S」と「GALAXY Tab」の記者会見を実施。ソフトバンクモバイルは記者会見は行わなかったものの、先日ロンドンで発表されたHTCの「Desire HD」を発売すると発表した。ドコモとソフトバンクモバイルは冬商戦向けにさらに多くのスマートフォンを投入する計画であり、今回の発表は両社のスマートフォン戦線の先兵ともいえる。  2010年も大詰めになり、日本でも本格化してきたコンシューマー向けスマートフォン市場。冬春商戦を前に、すでに混戦模様となりつつあるこの新市場の動向をリポートしたい。 Samsungの旗艦モデルで好調iPhone/iPadを牽制  “スマートフォン”が注目の今期。業界最大手のドコモは、Samsung電子製の「GALAXY S」(SC-02B)と「GALAXY Tab」(SC-01C)の投入を大々的に発表した。Android 2.2を搭載したSamsung製のGALAXY Sは、米欧では“iPhone追撃の象徴”のようなハイエンドモデル。Appleに何度も秋波を送りながらiPhoneやiPadの獲得に失敗してきたドコモにとって、GALAXYシリーズへの期待は大きい。記者会見でもNTTドコモの山田隆持社長が、「(GALAXY Sは)iPhoneとも十分渡り合えると確信している」と熱っぽく語った。  ドコモの社長自らが“一押し”するのは無理もない。GALAXY Sは、最大の特徴である「4.0インチ ワイドVGA表示(480×800ピクセル)対応のスーパー有機EL(SUPER AMOLED)」を筆頭に、高性能な独自デバイスを満載。スペック的に見れば、今のスマートフォン市場の中でも間違いなくトップクラスだ。厚さを9.9ミリに抑えて、重量も約118グラムと軽量に作られている。GALAXY Sは自社のデバイス開発力や生産能力の高さを生かした“モノ作りの力”でライバルを圧倒しており、かつての日本メーカーの製品のようだ。「全世界での販売台数が500万台を突破している人気モデル」(山田氏)という実力は伊達じゃない。

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