2010年Q2のPDPモジュール生産は、QOQ+17%の約160万台/月であった。Q1は停滞傾向にあったパナソニックがQOQ+27%と再び増産基調、LG ElectronicsもQOQ+20%、Samsung SDIはQOQ+8%と堅調に推移した。
同年Q3にかけては、韓国勢はQOQ+5~7%、パナソニックがQOQ+15%のペースで増産、市場全体ではQOQ+11%の伸びになると見込まれる。
PDPTVが好調である要因は、① PDPTVの割安感(42"HD PDPTVが32"FHDLCDTVと、50”HD PDPTVが42"FHD LCDTVと同等)、② 2010年Q2にLEDTV(LEDバックライト搭載のLCDTV)の部材不足と高止まり、③ LEDTVの投入により、CCFLTV(CCFLバックライト搭載のLCDTV)の製品ポジションが下がり、3DTVなど新機能を搭載したPDPTVのポジションニングが相対的に向上した点などが上げられている。

2010年のメーカー別のPDPモジュール生産は、パナソニックが約750万台、Samsung SDIが650万台、LG Electronicsが450万台、COCは50万台程度が見込まれる。
ただし、パナソニックはQ3がピークでQ4は調整基調、LG Electronicsも自社PDPTVの生産計画がQ3ピークであることから、Q4は減産が見込まれる。
一方、SamsungSDIはSamsung Electronics VDが強気なPDPTV生産を計画していることから、Q4にかけてもほぼフル稼働を計画している模様である。
現状の生産計画を維持した場合、2010年のPDPモジュール生産は、1900万台近くに達することとなる。しかし、2010年下期に入り、LCDTVは在庫超過傾向にあり、大型TFT液晶は生産ラインの稼動調整が始まっている。LCDパネルの供給価格は下落傾向にあり、LCDTVセットの価格値下げが強まると予測されている。
現在、TV市場において価格優位性を持つPDPTVであるが、LCDTVの値下げにより、販売価格もしくは販売数量に影響が出ると危惧される。PDPモジュールメーカー側は、2011年には15~20%の値下げを想定しているが、LCDTVの価格次第では、更なる調整が求められる可能性がある。