大型TFT液晶パネルの生産調整が本格化している。台湾のパネルメーカーは6月頃より徐々に調整を開始していたが、Q3に入り韓国、日系企業も生産ライン
の稼動調整を開始した。
生産調整は、IT用パネルから始まったが、Q3にはTV用パネルに波及している。LCDTVの需要は、中国・北米が期待を下回るペースであるのに加え、5月まで
は好調を維持していた欧州市場も為替の急速な変動になどにより減速している。日本国内やその他新興国で販売が好調な地域が見受けられるが、世界全体
では調整基調となっている。また期待されたLEDTVも、部材不足などでコストが下がらずTVセット価格が高止まりしたことから、期待通りの需要拡大には至って
いない。
結果として、足元はTVメーカーやパネルメーカー側のパネル在庫が、堆積している模様である。パネル価格の急速な値下げを受けて、パネル価格が高い段階で調達
したパネルを早期に整理しようとするメーカーが増えている。

台湾パネルメーカーや一部の日系メーカーは8月に稼動を3割近く落として運営している。韓国大手は調整幅が少なく、LG Displayは1割、Samsung Electronicsは10%
以内の調整となっている。ただし、LG Displayは生産能力が拡大しているため、稼動調整は行っているが、減産調整とはなっていない模様である。韓国、日系の
パネルメーカーは、9月で一旦調整を終える方針であるが、台湾パネルメーカーはQ3をピークにQ4は調整に入る可能性を示唆していたことから、市場全体では中期
的な生産調整に入る可能性が高い。
今後の需要に大きな影響を与えるのが、パネル供給価格の動向である。8月の価格見通しでは、32"HD(CCFL、60Hz)の大口需要家価格はすでに170ドルに達する
勢いで下落をしている。他地域と比較して1割以上のコストアドバンテージを持つ韓国大手が率先して値下げを行った場合、台湾・日系パネルメーカーの採算条件は
非常に厳しくなると見込まれる。一方、高止まりしていたTVセット価格は、今後値下げに転じることが予想される。