友達光電(AUO)は29日、中国家電最大手の海爾集団(ハイアール)、テレビ2位のTCL集団と、それぞれ液晶テレビ用パネルの後工程モジュール(LCM)合弁工場を設立すると発表した。既に提携している四川長虹電器と合わせた上位ブランド3社を囲い込むことで、現在25~30%の中国液晶テレビ用パネル市場でのシェアが大幅に高まることが期待される。30日付工商時報などが報じた。

AUOは同日の董事会で、ハイアールと合弁で、山東省青島市のハイアール工業園区にテレビパネルLCM工場を設置することを決めた。合弁会社名は「青島ハイアール光電」の予定で、資本金は700万米ドル、出資比率はハイアールが70%、AUOが30%。

 また、TCL多媒体科技控股傘下のTCL王牌電器(恵州)と合弁で、広東省恵州市仲愷開発区に、テレビパネルLCM工場を設置することも決めた。社名は「智翔光電」を予定し、資本金1,200万米ドル以下で、AUOが51%、TCLが49%出資する計画だ。 彭双浪AUO執行副総経理は、両社との合弁工場向けが将来、AUOのテレビ用パネル出荷の2割を占めると述べ、出荷先として鍵となる役割を果たすことに期待を示した。

 同社は、スピーディーで付加価値の高いサービスを提供でき、世界市場の商機を協力の下で作り出せると合弁工場設立の意義を説明。さらに、AUOのLCM工場のカバー範囲が華東、華南、華北、西南地区まで広がり、各地の顧客に対するサービス向上が見込めると強調した。

 AUOは昨年、四川長虹電器と合弁で、四川省綿陽市にLCM工場を設立。華中・華東地区を強化するため、安徽省合肥市で2,000万米ドルを投じての工場設置も申請中だ。

 市場調査機関の統計によると、中国液晶テレビブランド大手6社の▽ハイアール▽TCL▽海信(ハイセンス)▽創維(スカイワース)▽康佳(コンカ)▽長虹──による昨年の出荷台数は2,300万台強で、今年は前年比50%増の3,500万台も見込まれる。さらに来年の市場規模は4,300万台に達し、米国を抜いて世界最大になるとシンクタンクの拓ボク産業研究所(ボクはつちへんに僕のつくり、TRI)は予測している。