大手電機メーカーの「パナソニック」は、傘下の「三洋電機」の技術力を生かして成長が見込める太陽電池事業を大幅に強化するため、兵庫県尼崎市に新たな工場を造る方向で検討に入りました。
パナソニックは、太陽電池の生産からいったん撤退しましたが、去年12月、太陽電池を強みとする三洋電機を子会社にして、再び本格的に取り組む態勢を整えました。そして、太陽電池の事業を大幅に強化するため、兵庫県尼崎市にあるプラズマパネルの工場の中か、隣接する場所に新しい工場を建設する方向で検討に入りました。薄型テレビに使われるプラズマパネルと太陽電池のパネルは、ガラス基盤など共通の部品も多く、パナソニックでは工場を集めることでコストを削減できるとみています。

傘下の三洋電機は太陽電池の生産量で国内3位で、パナソニックとしては、今後1000億円を投資し、グループの生産規模を2倍以上に増やして世界のトップ3に入ることを目指しています。太陽電池は、発電の際に二酸化炭素を発生せず、環境問題に関心が高まるなかで、世界的に需要が拡大すると見込まれ、国内最大手の「シャープ」が先月、大阪・堺の新工場を稼働させたほか、「京セラ」も滋賀県に新工場の建設を進め、生産能力の増強を競っています。