2010年の第1四半期(1~3月)は,期を通して中国を中心とした力強い液晶パネルの需要が継続し,例年の状況に反して液晶パネル価格は上昇基調で推移しそうだ。2月の大型液晶パネル価格は,ノート・パソコン用パネルでは前月比1~2米ドルの上昇,モニター用パネルでは同3~4米ドルの上昇,テレビ用パネルの主力モデルでは同2~4米ドルの上昇で決着したもようである。
3月4日に台湾南部で発生した地震は,台南に製造ラインがあるFPD関連メーカーや部材メーカーを一時,操業停止にまで追い込んだ。現場の状況にもよるが,過去の例から見て,実ダメージがなくても,点検のためのライン停止と再開準備に少なくとも数日~1週間程度の期間を要するだろう。われわれの試算では,今回の場合,3月のパネル全体の出荷数量を面積ベースで約2.6%押し下げる計算になる。従って,供給の心理的なタイト感が強まることによって,これまでわれわれが示してきた価格トレンドのシナリオにわずかながら影響を及ぼす可能性がある。
パネル・メーカーは足元の状況を鑑み,値上げ幅の再拡大を目指して,引き続き強気の価格を顧客に提示しているもようである。その一方で,価格トレンド変調の兆しも顕在化しつつある。
中国市場におけるテレビ・セットの売れ行きは,旧正月も前年同期比では非常に好調だった。しかし,各テレビ・メーカーの旧正月商戦における当初の出荷計画と比較すると,「実績値は計画値より2割程度下回った」と伝えられている。パネル・メーカーは,パネルの在庫は次第に増えつつあるが管理可能な範囲であり,「過多になっていない」と見ている。もしそれらが事実とすれば,セット在庫と流通在庫を足し合わせた在庫が,実績値と計画値のギャップになっているということになる。また,5月の労働節商戦は期間が例年より短いため,今後出荷が大きく伸びる期待をしにくい状況にある。先述の地震の影響により時期が数日~数週間程度後ろ倒しになる可能性はあるが,早晩,パネル価格も“一本調子の上げ”の状況から“反転”となるという基本シナリオに変更はない。
一方,中国における労働力不足も無視できない状況となってきた。内陸部にも雇用があり,しかも賃金は沿岸地域と比較しても遜色(そんしょく)ないため,旧正月後に帰省したまま戻ってこない労働者が多いと聞く。機器のODM(originaldesign manufacturer)も例外でなく,「工数不足のため計画通り出荷できない」という状況が聞こえてきている。特にノート・パソコンについては,液晶パネル以外の半導体,光ディスクなど主要部品,中国現地で調達する部品の不足が続いており,直近のパネル需要の“押し下げバイアス”となっている。
以上の状況を鑑みて,パネル価格予測を,前月と大きく変更してはいない。
「3月は値上がり傾向となるものの,前月比で上げ幅は縮小し,4月ごろに反転する」というシナリオをとっている。ただし,もしパネル価格の反転が予測時期よりも遅れると,年末商戦の需要期に向けて,十分なパネル価格低下を見込めない
ことになる。テレビをはじめとするセット・メーカーは,セット販売価格の設定に相当頭を悩ますことになりそうだ。
3月4日に台湾南部で発生した地震は,台南に製造ラインがあるFPD関連メーカーや部材メーカーを一時,操業停止にまで追い込んだ。現場の状況にもよるが,過去の例から見て,実ダメージがなくても,点検のためのライン停止と再開準備に少なくとも数日~1週間程度の期間を要するだろう。われわれの試算では,今回の場合,3月のパネル全体の出荷数量を面積ベースで約2.6%押し下げる計算になる。従って,供給の心理的なタイト感が強まることによって,これまでわれわれが示してきた価格トレンドのシナリオにわずかながら影響を及ぼす可能性がある。
パネル・メーカーは足元の状況を鑑み,値上げ幅の再拡大を目指して,引き続き強気の価格を顧客に提示しているもようである。その一方で,価格トレンド変調の兆しも顕在化しつつある。
中国市場におけるテレビ・セットの売れ行きは,旧正月も前年同期比では非常に好調だった。しかし,各テレビ・メーカーの旧正月商戦における当初の出荷計画と比較すると,「実績値は計画値より2割程度下回った」と伝えられている。パネル・メーカーは,パネルの在庫は次第に増えつつあるが管理可能な範囲であり,「過多になっていない」と見ている。もしそれらが事実とすれば,セット在庫と流通在庫を足し合わせた在庫が,実績値と計画値のギャップになっているということになる。また,5月の労働節商戦は期間が例年より短いため,今後出荷が大きく伸びる期待をしにくい状況にある。先述の地震の影響により時期が数日~数週間程度後ろ倒しになる可能性はあるが,早晩,パネル価格も“一本調子の上げ”の状況から“反転”となるという基本シナリオに変更はない。
一方,中国における労働力不足も無視できない状況となってきた。内陸部にも雇用があり,しかも賃金は沿岸地域と比較しても遜色(そんしょく)ないため,旧正月後に帰省したまま戻ってこない労働者が多いと聞く。機器のODM(originaldesign manufacturer)も例外でなく,「工数不足のため計画通り出荷できない」という状況が聞こえてきている。特にノート・パソコンについては,液晶パネル以外の半導体,光ディスクなど主要部品,中国現地で調達する部品の不足が続いており,直近のパネル需要の“押し下げバイアス”となっている。
以上の状況を鑑みて,パネル価格予測を,前月と大きく変更してはいない。
「3月は値上がり傾向となるものの,前月比で上げ幅は縮小し,4月ごろに反転する」というシナリオをとっている。ただし,もしパネル価格の反転が予測時期よりも遅れると,年末商戦の需要期に向けて,十分なパネル価格低下を見込めない
ことになる。テレビをはじめとするセット・メーカーは,セット販売価格の設定に相当頭を悩ますことになりそうだ。






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