液晶パネル価格が昨年年初から続いた上昇から一転、3月をピークに下落に転じるとの観測が出ている。中国で春節(旧正月)連休期間の液晶テレビ販売が予想ほど伸びずに在庫が残っている上、次に需要が期待される中国の5月1日からの労働節(メーデー)連休が3日間と短いことから、9カ月間続いたパネルの在庫補充効果が4月上旬で薄れるとみられるためだ。一方で、パネルの供給不足は第3四半期まで続くと楽観する証券会社もあり、見方が分かれている。25日付経済日報などが報じた。

市場観測によると、中国の春節連休期間の液晶テレビ販売は、予測されていた前年比15%の高成長には届かなかったようだ。パネルメーカーによると、中国の川下の液晶テレビ在庫は通常4週間分だが、春節前に7~8週間分まで積み増しされたものの、同期間に消化されたのは1~2週間分にとどまり、現在の在庫は通常水準より2~3週間分多い状態だ。
米研究機関のオッペンハイマーは、パネルの在庫補充効果は数カ月後には消えると予測。第1四半期がパネル景気の山となり、パネルメーカー各社は第2四半期の出荷目標を引き下げると見込む。
ある業界関係者は、中国のテレビブランドメーカーが労働節連休に向け、台湾パネルメーカーから調達するのは4月の1週目までで、4月いっぱい続くとは考えられないと語った。また、現在の中国の液晶テレビ需要が昨年ほど強くないことに加え、第2四半期は欧米の液晶テレビ市場がオフシーズンに入るため、パネル景気は同期、予想よりも冷え込むとの予測を示した。

市場調査会社、ディスプレイサーチの謝勤益副総裁は24日、第2四半期の景気を予測できるのは中国の春節連休期間の液晶テレビ販売実績が明らかになってからだとして、見解表明を保留した。同時に、第2四半期は奇美電子(CMO)や韓LGディスプレイ(LGD)が第8.5世代生産ラインを稼働させ、市場の生産能力規模が拡大するため、パネル各社が設備稼働率を引き下げる可能性があるとも指摘した。

一方、パネル材料のガラス基板最大手、米コーニングは、現在ガラス基板は作ればすぐ売れる状態で、パネルメーカー側の在庫水準は依然低いと指摘した。中国の1~2月の液晶テレビ販売は最大約700万台と見込み、第2四半期のパネル景気は第1四半期よりやや弱まるか、横ばいとみている。
また、台湾クレディ・スイスやHSBC証券は、春節連休期間の中国の液晶テレビ販売状況は悪くなかった上、上位クラス製品の需要も増えているとして、パネルの供給不足は第3四半期まで続くとの見方だ。