米VIZIO,Inc.は,同社の液晶テレビに,非圧縮HD映像の無線伝送機能を搭載する方針を明らかにした。
同社の液晶テレビの一部機種に,60GHz帯のミリ波を活用した無線インタフェース「WirelessHD」を採用する。WirelessHDは,最大データ伝送速度が4Gビット/秒(Version 1.0仕様)と高速で,1080pのHD映像を非圧縮で無線伝送できる。既に,パナソニックや韓国LG Electronics,Inc.などが,WirelessHD対応機器を発売していた。
VIZIO社は,WirelessHD対応の液晶テレビなどを,2010年中に発売する方針だ。
同社は,2010年1月7日から米ラスベガスで開催される「2010 International CES」において,対応するシステムの試作機を公開する予定。WirelessHD用の送受信チップセットには,米SiBEAM,Inc.の製品を用いた。
SiBEAM社は先ごろ,普及価格帯のAV機器に向けた第2世代のチップセットを発表しているが,VIZIO社は同製品を採用するもよう。なおVIZIO社は,業界団体「WirelessHD」に加盟することも明らかにした。
家庭のAV機器に向けたHD映像の無線伝送規格にはこのほか,AMIMON社などが推進する「WHDI」があり,既に複数のAV機器メーカーが採用している。このほか,米Intel Corp.などが推進するWiGigも,正式仕様を発表したばかり。今後,これら伝送規格を主導する企業や関連メーカーによる,業界標準を巡る争いが激しくなりそうだ。