韓国大手企業の今年の業績を見ると、情報技術(IT)や自動車関連企業は全体的に好調だったほか、年初に危機に直面していた鉄鋼や建設は下半期(7~12月)に回復傾向にあることが分かった。一方、錦湖アシアナやSKなどのグループは、予測外の“逆風”により苦戦し、好調・回復組と明暗を分ける結果となった。東亜日報が伝えた。
輸出を中心とする企業を主力系列に抱えるサムスングループとLGグループの業績は、ウォン安の影響で好調だった。サムスン電子は今年、韓国企業としては初となる、年間売上高100兆ウォン(約7兆6,900億円)、営業利益10兆ウォンの達成を目前としている。
業績以外でも、背任などの罪で起訴されていた李健煕・前会長に対する無罪が確定。李前会長は、サムスンエバーランド転換社債(CB)の発行とサムスンSDSの新株予約件付き債券(BW)を不当な安値で発行した背任などの疑いがかけられていた。10年以上続いたサムスングループ経営権の世襲争いにも終止符が打たれた。
LGグループも比較的好調な1年となった。
同グループは、今年に入り第3四半期(7~9月)までに93兆ウォンの売り上げを計上。今年通年の目標値である116兆ウォンの80%を達成している。また、世界市場でテレビシェア2位(13.3%)、携帯電話シェア3位(10.3%)を維持している。
現代・起亜自動車グループは、世界の自動車市場が停滞する中、積極的な市場開拓を行い、中国やインドで販売を伸ばした。11月のインドでの販売は5万5,265台となり、月間ベースで過去最高を記録した。
起死回生の年となったのは、ポスコだ。同社は今年第2四半期(4~6月)の営業利益が、2000年以降で最も低い1,705億ウォンにとどまった。だが、第3四半期は前期比500%増の1兆180億ウォンの営業黒字を計上し、主要企業の中でも業績の回復が顕著だった。
一方、今年が試練の年となったのは、錦湖アシアナグループだ。
財務構造の悪化により大宇建設の売却や、朴三求名誉会長とその弟である朴賛求・前化学部門会長の経営権争いが表面化。錦湖建設の入札に関する不正疑惑や、大韓通運の裏金工作事件などの逆風続きで経営に影響を与えた。
SKグループの業績も主力事業である石油や通信分野が、原材料価格や通信価格を引き下げようという政府の「市民経済」政策の影響を受けた。また、SKエネルギーは売り上げの7割以上を占める製油事業で、第2四半期以降、2四半期連続で損失を計上する結果となった。
韓国経済全体が景気の回復基調を強めるなか、韓国大手企業でも勝ち組と負け組が混在しているようだ。