これまで拡大が続いてきたディスプレイ市場は、2008年の世界金融危機により、2008年下期から009年第1四半期にかけて大きなダメージを被った。
ドライバICも、ディスプレイ市場と1ヶ月~1四半期の時時差で影響を受けた。
2008年第3四半期に需要が急減し、第4四半期から2009年第2四半期にかけて大幅に価格が下落、これにともない多くのドライバICメーカーも業績が深刻化。中でも、2008年第4四半期の下落率は40%以上に達した。
これまで採算性の悪化に耐えてきたメーカーも、今回の不況で撤退/倒産し、一部ではM&Aが進んだ。このため、今後、メーカー間の競争はやや穏やかになると見られ、価格下落率も縮小すると見られる。
パネルの生産量は多少減少したものの、高解像度化が進行、マルチチャンネル化も2007年水準にとどまったことで、ドライバICの生産量は増加。2009年上期にディスプレイ市況はほぼ回復したため、2009年の生産数は78億個に拡大する見通しだ。
また、2006年から減少が続いた金額市場も、価格下落率の縮小で、今後は増加に転じると予想される。大型パネル用ドライバICは、パネルメーカーによる垂直系列化が定着しつつあり、一方、小型パネル用は大手ファンドリーの存在感がさらに増すと思われる。各地域における生産量の傾向を見ると、台湾と韓国がほぼ同レベルとなった。一方、日本は2005年以降、シェア低下が続いている。その他に含まれるのは、台湾/中国のファブレスが多いため、実質的な生産量は台湾が韓国を上回っている。