韓国の主要グループが、来年の経営計画を例年より早めに決めていることが分かった。各社とも世界的な金融危機の影響が一段落しつつあるなかで、来年を業績の大幅回復の機会とみていることが背景にあるようだ。各社に共通しているのは「投資拡大」と「スピード感」。ただ、世界景気の先行きが依然不透明なこともあり、攻めの姿勢がどこまで奏功するかは未知数だ。
サムスングループは今年、例年は年初に行う人事異動を年内に前倒しした。今月22日には新人事を発表する予定。また、先週掲げた売上高2けた増を達成するため、設備投資には21.4%増の8兆5,000億ウォン(約6,448億円)を投じる。内訳は半導体に5兆5,000億ウォン、液晶ディスプレー(LCD)に3兆ウォンを投入する。 

同グループは先日、来年の売上高目標を、今年通年予想の134兆ウォンより11.9%多い150兆ウォンと発表していた。人気を集める発光ダイオード(LED)テレビの販売台数は今年300万台から1,000万台に増やす方針だ。
このほか、現代・起亜自動車グループが中型ハイブリッドカー(HEV)開発に多額の資金を注ぐ意思をすでに表明しているほか、LGグループは来週にも◇LCD◇LED◇電気自動車(EV)向け2次電池◇第4世代(4G)――を中心に据えた経営計画を発表する見通しだ。


SKグループは先月、来年の研究・開発(R&D)投資を10%増やすと発表。エネルギーと情報通信に次ぐ、第3の収益源を探すのが狙いだ。キーワードを「生存」から「成長」に据え、新技術の発掘に2012年までに5兆7,000億ウォンを投じる。

また、ポスコも来年、設備投資に4兆5,000億ウォンを投入することを決定。大型の買収・合併(M&A)にも積極的に乗り出し、インドやインドネシアへの進出も果たす。各社とも他社より一歩早めに大胆な投資計画を発表したのが特徴といえる。

一方、大手の楽観・積極姿勢を戒める声もある。

対外経済政策研究院(KIEP)の蔡旭・院長は「先進国の景気回復が遅れる中、輸出は減少する見込み」とし、従来型の外需重視の経営戦略に偏りすぎている点を指摘。内需にも目を配る必要があるとした。

また、来年は中国との技術力の差が一層縮まる一方、安さでシェアを伸ばす韓国勢に押され気味だった日本が巻き返しを図るともみられており、各業界で競争が激化するのは確実。投資額の大きさだけでなく、どこにどのタイミングで投資するかが、将来の成否を分けることになりそうだ。