テレビ向け液晶モジュールの面積単価は,モニター向けと同じペースである年率30%の割合で低価格化していく。ただし,モニター向けに対して約2倍のプレミアムは付く――。テレビ向け液晶モジュールの明確な価格目標を公表している韓国Samsung Electronics Co.,Ltdのデータを解析すると,このような価格トレンドが浮かび上がってくる。
テレビ向けで先行している日本の液晶パネル・メーカーは,当初モニター向けと比較したときの技術的な難易度の高さとモニター向けのような標準仕様が存在しないことから,価格の低下はモニター向けよりも緩やかなペースで進むのではないかと考えていた。しかし,Samsungは液晶テレビ市場の早期立ち上げをねらって,モニター向けと同様に低価格化する目標を掲げた。日本の液晶業界の価格目標もSamsungの目標とほぼ同じ設定であると推測される。
 日経BP社 FPD研究所(http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/fpd/)が2004年12月16日に開催するするパネル・メーカー戦略研究報告会「液晶パネル・メーカーの事業戦略研究 2005」では,テレビ向けとモニター向け液晶パネルの単価のトレンドを推定するとともに,各社の低コスト化に向けた施策と,その影響を分析する。



(伊藤元昭=日経BP社 FPD研究所 主任研究員)